2016〜2018年 | マドリードの黄金時代

ジダン体制が成し遂げた前人未到の偉業——CL3連覇という神話

2024年12月約8分

チャンピオンズリーグ3連覇——欧州サッカー史上、誰も成し遂げたことのない偉業。2016年、2017年、2018年と三度の頂点に立ったレアル・マドリードを率いたのは、名選手から転身した指揮官ジネディーヌ・ジダンだった。

「名手」から「名将」へ——異例の就任

2016年1月、ジネディーヌ・ジダンがレアル・マドリードの監督に就任した。ベニテスの後任として、自身初の欧州トップクラブの監督職に就いた時、多くのメディアは「経験不足」を懸念した。Bチーム(カスティージャ)での監督経験はあったが、トップチームの指揮は未知の領域だった。

しかしジダンは、現役時代から一貫して「サッカーは感覚だ」と語ってきた人物だ。ピッチ上でのプレーと同様に、監督としての仕事も感覚と人間理解で行おうとした。戦術的な細かい指示よりも、選手個々の心理状態を読み、最高のパフォーマンスを引き出す環境作りを優先したのだ。

ジダンの管理スタイルは「信頼の監督術」と呼ばれる。選手を信じ、使い続け、プレッシャーを与えない。試合後の批判は外部ではなく内部で行い、公の場では常に選手を守る姿勢を取った。この手法は、プライドの高いスター軍団を動かすのに驚くほど有効だった。

2016年:ペナルティ戦の果てに掴んだ初戴冠

2015-16シーズンの決勝は、アトレティコ・マドリードとのマドリードダービーとなった。スタジアムはサン・シーロ。延長戦を経ても1-1のまま決着がつかず、試合はPK戦へと突入した。

PKを外せば敗退——この極限のプレッシャーの中で、クリスティアーノ・ロナウドが最後のキッカーとして歩み出た。5番目のキッカーとして蹴り込んだシュートはゴール右隅に突き刺さり、マドリードが11年ぶりの欧州制覇を果たした。ジダン監督就任からわずか5ヶ月での快挙だった。

この勝利で特筆すべきは、チームの「粘り強さ」だ。前半にラモスのヘッドで同点に追いつき、泥臭く勝点をもぎ取る強さは、ガラクティコス時代にはなかったものだった。攻撃の輝きだけでなく、守備の誠実さも兼ね備えたチームが完成しつつあった。

2017年・2018年:連覇が証明した「強者の法則」

2016-17シーズンは、ユヴェントスを4-1で粉砕して2連覇を達成。翌2017-18シーズンは再びリバプールと対決し、3-1で勝利。ガレス・ベイルが途中出場から見せたオーバーヘッドキックは、このシーズンを象徴する「歴史的ゴール」として語り継がれることになった。

この3年間で際立ったのは、ローテーションの巧みさだ。リーガ・エスパニョーラとCLの長丁場を戦い抜くため、ジダンは主力選手を積極的に休ませた。クリスティアーノ・ロナウドですら定期的に先発から外し、常に「ベストコンディション」を維持させた。この決断は当時賛否を呼んだが、結果が証明した。

もう一つの鍵は、リュカ・モドリッチとカゼミーロとトニ・クロースによる「MCF三角形」の完成だ。攻守のバランスを担うこの中盤トリオは、リオネル・メッシ率いるバルセロナとの違いを生み出した重要な差別化要因だった。華やかな攻撃陣を下支えした黒子的存在への適切な評価こそ、ジダンの慧眼の証だった。

CL3連覇が意味するもの

欧州チャンピオンズリーグの歴史において、3連覇を成し遂げたクラブは存在しない。これはACミラン、バイエルン、バルセロナ、リバプールといった名門クラブが幾度となく挑戦し、誰も到達できなかった境地だ。

ジダンは2018年6月、「プレーヤーとして達成した最高峰と同じ頂点に監督として立てた」という言葉とともに退任を表明した。その後継者は苦しみ、マドリードは2シーズンにわたってCL決勝に届かなかった。ジダンは2021年に再就任するが、成功した「一度目の任期」の再現はかなわなかった。

しかし、2016年から2018年の3年間は、永遠にレアル・マドリードの歴史に刻まれる。ジダンは現役時代に「世界一の選手」となり、監督として「世界一の記録」を作った——二度の頂点を異なる形で体験した、稀有な存在として。