2011〜現在 | ユベントス・チェルシー・インテルで作った王朝
アントニオ・コンテ——「勝利への執念」が3クラブを変えた
アントニオ・コンテが指揮を執ったクラブはほぼ例外なく優勝した。ユベントスでのセリエA3連覇、チェルシーでのプレミア優勝、インテルでの18年ぶりのセリエA制覇——怒鳴り、走らせ、戦術で縛り上げる「コンテ流」は、選手を限界まで引き出す最も激しいサッカー哲学のひとつだ。
ユベントスでの3連覇——崩壊したクラブを再建した手腕
2011年、コンテがユベントスの監督に就任した時、クラブは数年間セリエAでのタイトルから遠ざかっていた。「カルチョスキャンダル」(2006年の八百長問題)による降格処分からの再建途上で、クラブの士気は低下していた。
コンテはまず守備組織の構築から始めた。3バックシステム(3-5-2)を徹底し、選手全員に走ること・戦うことを要求した。加入初年度から無敗でセリエAを制覇。以後3連覇を達成し、ユベントスを「セリエAの絶対王者」として復活させた。ピルロ、ビダル、マルキジオというミッドフィールドラインは、コンテの戦術的な要求を完璧に満たすユニットだった。
チェルシーとインテル——異なる文化での適応力
2016年にチェルシーの監督に就任したコンテは、加入初年度にプレミアリーグを制覇した。アザールをトップ下気味に使い、3バックの両翼を積極的に攻撃参加させるシステムでプレミアを席巻。翌年はFAカップも制覇したが、フロントとの関係悪化で退任した。
2019年にインテルの監督となったコンテは、2020-21シーズンにインテルをセリエA制覇へ導いた(18年ぶり)。ルカク、ラウタロの2トップが爆発的な得点を記録し、コンテのシステムに完璧にはまった。しかしここでもフロントとの方針の違いから優勝の翌シーズンに退任。「コンテが来れば優勝できる、でも長くは続かない」という法則はどのクラブでも繰り返された。
「コンテ流」の本質——愛されないが結果を出す
コンテは選手に最大限の要求をする。戦術の徹底、走行距離、守備への参加——すべてが他の監督より高い水準を求められる。そのため「コンテのもとでプレーするのはきつい」という選手の声は多い。しかし同時に「コンテのもとでプレーしたことで自分は成長した」という声も多い。
グアルディオラが「美しいサッカー」でファンを魅了するなら、コンテは「醜くても勝つサッカー」で結果を出す。「私はリーグ優勝するためにいる。エンターテインメントを提供するためではない」——この言葉がコンテの哲学のすべてを表している。