1996〜2018年 | アーセナルの22年

アーセン・ヴェンゲルの哲学——フットボールを科学にした男

2025年4月約8分
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Hara Tech 編集部

欧州サッカー専門メディア「ultrasrei.com」編集部。プレミアリーグ・ラ・リーガ・セリエAを中心に、戦術・歴史・選手考察を発信。

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1996年から2018年まで22年間アーセナルを率いたアーセン・ヴェンゲルは、単なる監督ではなくサッカー界のパイオニアだった。栄養学の革新、外国人選手の積極採用、美しい攻撃サッカーの追求——プレミアリーグとフットボール界全体を変えた革命家の物語。

栄養革命——「食事がパフォーマンスを変える」

ヴェンゲルがアーセナルに来た当時、イングランドフットボールの食事文化は非常にお粗末だった。ハンバーガー、チップス(フライドポテト)——選手の食事管理への意識は低かった。

ヴェンゲルは日本のJリーグで監督をしていた経験を生かし、先進的な栄養管理と科学的なトレーニング方法を持ち込んだ。選手たちの体脂肪率は劇的に改善し、ケガの発生率が下がった。これは今や当たり前の常識だが、当時は革命的だった。

無敗王者と「インヴィンシブルズ」

2003-04シーズン、アーセナルはリーグ戦38試合を一度も負けることなく優勝(26勝12分0敗)。「インヴィンシブルズ(無敵)」と呼ばれるこのチームは、ベルカンプ、アンリ、ピレス、ヴィエラらを擁する黄金期だった。

この記録は現在もプレミアリーグで破られていない。美しく流れるような攻撃サッカーと堅固な守備が融合したこのチームは、イングランドサッカー史上最高のチームの一つと語られる。