1970年メキシコ | ペレ、ジャイルジーニョ、リヴェリーノが作った伝説
ブラジル1970年——「史上最強チーム」が体現した美しさの極致
1970年メキシコW杯でブラジルが見せたサッカーは、半世紀以上が経った今も「最も美しいサッカー」として語り継がれている。ペレ、ジャイルジーニョ、トスタン、リヴェリーノ——攻撃的な才能の集合体が体現した「美の極致」を振り返る。
「神々のチーム」——11人すべてが最高レベル
1970年のブラジル代表は、GKフェリックスから10番ペレまで、ほぼ全員が当時の世界最高クラスの選手だった。ジャイルジーニョは7試合全試合でゴールを決めるという前人未到の記録を打ち立て(現在も唯一の記録)、ペレは29歳の全盛期で圧倒的な存在感を放った。
特筆すべきはチームとしての流動性だ。ブラジルのパスは短く鋭く、常に前を向き、どこからでもゴールが生まれた。4-2-4というフォーメーションに縛られながら、選手は常に自由に動き、相手の守備ラインを崩し続けた。
決勝イタリア戦4-1——完璧な試合
決勝のイタリア戦はスコア4-1でブラジルの完勝。しかし得点差以上に内容の差は大きかった。ペレの先制点(胸トラップからのボレー)、クロドアルドの個人技からのカウンター、ジャイルジーニョのゴール、そしてカルロス・アルベルトの最後を締めくくる一撃——この4番目のゴールは「史上最高のゴール候補」として常に語られる。
自陣から始まったパス交換が10本以上続き、最後は右SBのカルロス・アルベルトが爆発的なスプリントから右足一閃。この一連の流れはブラジルの「美しいサッカー」の哲学すべてが凝縮されていた。試合を見ていた世界中の人が「こんなサッカーがあるのか」と息を呑んだ。
3度目の優勝でジュール・リメ杯を永久保持したブラジル。その後もサッカー大国であり続けるが、1970年の輝きを超えたと評価されるチームは2024年現在も現れていない。
ペレという「完璧な10番」
エドソン・アランチス・ド・ナシメント——ペレの本名だ。1940年に生まれ、15歳でサントスのトップチームデビュー、17歳で1958年W杯を制した神童は、1970年に「最後の輝き」を世界に示した。
ペレの記録は圧倒的だ——国際Aマッチ77ゴール、クラブ通算775ゴール(非公式含む1281ゴール)。しかし数字より重要なのは彼が「サッカーとは何か」を体現した存在だったことだ。1970年のペレは29歳——今日の基準でも「全盛期の絶頂」にあった選手が、最大の舞台で最高のパフォーマンスを見せた。それがあの大会の伝説性を永遠にしている。