2021〜2023 | 欧州5大リーグ制覇に続く、新たな栄冠
モウリーニョとASローマ——コンフェレンスリーグで見せた「老将の意地」
2021年、モウリーニョはASローマの監督に就任した。トッテナムでの失意のシーズンを経て、イタリアの古都に向かった男は、2022年にUEFAヨーロッパ・コンフェレンスリーグを制覇。ローマにとって61年ぶりのヨーロッパタイトルをもたらし、再び「スペシャル・ワン」の価値を証明した。
トッテナムの失敗からローマへ
2019年にトッテナムに就任したモウリーニョは、2021年シーズン途中に解任された。CLファイナル直前という皮肉なタイミングで解任されたポチェッティーノの後任として引き継いだが、チームの立て直しに苦戦し、結果を出せないまま去ることになった。
その数ヶ月後、ASローマが新監督にモウリーニョを選んだ。ローマは長年タイトルと縁遠く、財政的にも制約が多いクラブだった。「なぜローマを選んだのか」という問いにモウリーニョは答えた——「プロジェクトに惚れた。そしてローマという都市の情熱に」。
2021-22シーズン——コンファレンスリーグ制覇
2022年5月、ASローマはUEFAヨーロッパ・コンフェレンスリーグの決勝でフェイエノールトを1-0で下し、優勝した。モウリーニョはCL(2回)、UEFA(1回)、コンファレンスリーグ(1回)と欧州3種類の大会すべてを制覇した史上初の監督となった。
試合後のモウリーニョの姿は印象的だった。トロフィーを掲げるのではなく、スタンドのローマサポーターたちを向いて涙をこらえるように立っていた。「このタイトルはローマのファンのためのものだ。61年間待たせた」——チェルシーやマドリードでの勝利とは違う、「愛されたい」という感情が滲み出た瞬間だった。
「老将」の意地と2023年の解任
コンファレンスリーグ制覇の翌シーズン、ローマはヨーロッパリーグでも準決勝まで進出した。しかしセリエAでの成績が振るわず、2023年1月にモウリーニョは解任された。ローマのサポーターたちはスタジアムの外でモウリーニョへの感謝を示すデモを行い、選手たちも涙を見せた。
ローマでのモウリーニョは、これまでの「勝利至上主義の独裁者」とは少し異なる顔を見せた。若手選手を育て、クラブへの愛着を口にし、サポーターと直接コミュニケーションを取った。60歳を過ぎた「スペシャル・ワン」が、ローマという都市で人間的な成熟を見せた——そう感じたファンは多かったはずだ。