2013〜2023 | 2億2200万ユーロが動かした時代とその代償
ネイマール——バルサからPSGへ、「世界一高い移籍」が残したもの
2017年夏、ネイマールは2億2200万ユーロという史上最高額でパリ・サンジェルマンに移籍した。メッシとロナウドの時代に「第三の男」として台頭した天才が選んだ決断は、彼のキャリアを輝かせたのか、それとも失わせたのか。バルセロナでの黄金期からパリでの苦闘まで、その軌跡を辿る。
バルセロナでの完成——MSN三銃士
ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオールは1992年、ブラジルのモジ・ダス・クルゼスに生まれた。サンパウロのサントスでデビューし、ブラジル代表の顔として頭角を現した後、2013年にバルセロナへ移籍した。
バルサでのネイマールは、メッシ、スアレスとの「MSN」トリオで全盛期を迎えた。2014-15シーズン、三人合わせて122ゴールという前人未到の数字でCL・リーガ・コパの三冠を達成。ネイマール自身も39ゴール+26アシストという圧倒的な記録を残した。
このシーズンのネイマールは「世界最高に最も近づいたネイマール」だった。左ウィングからのドリブル、シュート、チームへの溶け込み方——すべてが理想的な形で機能していた。メッシとともに出場することで、互いの長所を引き出す化学反応が生まれていた。
世界最高額移籍とPSGでの孤独
2017年8月、ネイマールはPSGへ移籍した。違約金の2億2200万ユーロは史上最高額として今も破られていない。「メッシの影から出て自分がナンバーワンになる」という意図があったとされるが、PSGでの現実は複雑だった。
リーグ・アンではカバラ的な存在として君臨し、ゴールを量産した。しかしCL——ネイマールが本当に証明したかった舞台——では決定的な場面で不在が続いた。2018年・2019年・2020年・2021年と毎シーズン、CL本番直前に怪我で離脱する不運が重なった。
2020年にはCL決勝まで進出し、ネイマールも出場したが、バイエルンに0-1で敗れた。この決勝でのネイマールのパフォーマンスは高く評価されたが、優勝には届かなかった。
2022年W杯とブラジル代表の夢
2022年カタールW杯は、ネイマールにとって最後の「頂点」への挑戦と見られた。30歳のネイマールはグループリーグから輝き、クロアチアとの準々決勝では延長でゴールを決めた。しかしPK戦で敗れ、ブラジルは準々決勝で敗退。
その後サウジアラビアのアル・ヒラルへ移籍したが、重傷(前十字靭帯断裂)により長期離脱。2024年にブラジルのサントスへの復帰を決断し、原点に戻る形でキャリアを再構築しようとしている。
PSGへの移籍は正しかったのか——この問いに答えは出ていない。しかしバルセロナ時代の輝き、MSNというトリオが生んだ化学反応、そして常に怪我と戦いながらも世界を魅了し続けたドリブルの美しさ——ネイマールが持っていた才能は本物だった。それが最大限に発揮された場所がバルサだったとしても、彼の選択を否定することはできない。