2004〜現在 | CL・プレミア・ユーロを制した指揮官の哲学
ロベルト・マンチーニ——インターとシティで実証した「勝者の作り方」
インテル・ミラノでセリエA3連覇、マンチェスター・シティでプレミアリーグ初優勝、イタリア代表でユーロ2020制覇——ロベルト・マンチーニは選手として名声を得た後、監督としてさらに大きな足跡を残した。組織を変え、文化を変え、勝者のメンタリティを植え付ける男の物語。
選手時代——サンプドリア、ラツィオのファンタジスタ
マンチーニは選手としてサンプドリアとラツィオで活躍した。サンプドリアでは1991年にCL決勝まで進出し(バルセロナに敗退)、ラツィオでは2000年のセリエA優勝に貢献した。精度の高いパスとゲームメイクで「ファンタジスタ」と称されたが、国際的な認知度は限られていた。
2002年にラツィオで現役を引退した後、すぐに指導者への道を歩み始めた。フィオレンティーナでの経験を経て、2004年にインテル・ミラノの監督に就任した。
インテルでの3連覇——CLまであと一歩の時代
インテルでのマンチーニは2006-07、07-08、08-09シーズンのセリエA3連覇を達成した。ズラタン・イブラヒモビッチ、マレク・ハムシク、パトリック・ビエラといった選手を擁し、セリエAでは圧倒的な強さを見せた。しかしチャンピオンズリーグではなかなか結果が出ず、最終的に解任された。
後任のモウリーニョが2009-10シーズンにCLを含む3冠を達成したことで、「マンチーニが残した財産の上に乗っかった」という見方と「マンチーニにはCLを制するほどの力がなかった」という見方が交錯した。
マンチェスター・シティとユーロ2020——二つの歴史的瞬間
2009年にマンチェスター・シティの監督に就任したマンチーニは、アブダビ資本が入った新生シティを強豪へと変えた。2011-12シーズン、最終節でマンチェスター・ユナイテッドを得失点差で上回り、44年ぶりのプレミアリーグ優勝を達成した。最終節のアグエロの劇的なゴール(インジュリータイム93分20秒)は「93:20」として語り継がれるが、そのドラマを演出したのはマンチーニの補強と戦術だった。
2021年にはイタリア代表を率いてユーロ2020を制覇。イタリアが53年ぶりに欧州王者となったこの偉業は、代表選手としての輝きも監督としての実力も持ち合わせた男の最高傑作だった。選手・指揮官の両面でイタリアサッカー史に名を刻んだマンチーニの名前は、長く記憶されるだろう。