2018年〜現在 | ビデオ判定の時代
VAR革命——テクノロジーがサッカーを変えた功罪
2025年3月約7分
2018年W杯から本格導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、サッカーの判定精度を高める一方で、ゴールの喜びを奪うと批判も絶えない。テクノロジーと伝統の間で揺れるサッカー界の現状を考察する。
VARが解決した問題
VARは明らかな誤審を大幅に減少させた。ハンドボール、オフサイド、レッドカード判定の精度は統計的に向上している。かつて結果を左右した誤審(1986年マラドーナの「神の手」のような)は理論上起こりにくくなった。
また、PKの正確な判定や、フィールド内での暴力行為の見逃しが減少した点は多くのファンが支持している。
VARへの批判と課題
一方で批判も根強い。ゴールが決まってもVARチェックで数分間待たされ、喜びが半減する——この体験はスタジアムの雰囲気を著しく損なう。特にオフサイドの「線引き」は1センチ単位の精度を求めており、「それはサッカーに必要な精度か?」という問いが残る。
またVARの判断基準が審判によって異なるケースも多く、「導入前より判定への不満が増えた」というデータも存在する。サッカーは完全に「公平」にすることが正しいのか、哲学的な議論は今も続いている。