2003–2009 | 銀河系軍団の光と影 Part II

ガラクティコス2.0——ベッカムからカカまで、輝きと迷走の記録

2026年4月約8分

2003年、レアル・マドリードはデイビッド・ベッカムを獲得し、「ガラクティコス(銀河系)」と呼ばれた超大型補強路線の第2章を始めた。しかし結果は皮肉なものとなる。スター選手を集め続けたこのクラブが、最も苦しんだのはまさにこの時代だった。

ベッカム加入——ブランドとしてのレアル・マドリード

2003年夏、デイビッド・ベッカムがマンチェスター・ユナイテッドからレアル・マドリードへ移籍した。この移籍はサッカー界を超え、ファッション界・芸能界にまで波紋を広げた。ベッカムは単なるサッカー選手ではなく、世界的なブランドだったからだ。

しかし問題は、すでにチームに右MFのポジションにはフィーゴがいたことだ。ベッカムのベストポジションと被っていた。結果として、戦術的な混乱が生じ、「スターの集合体」は機能的なチームとはなりえなかった。ラウール、ジダン、ロナウド(ブラジル人)、ベッカム——個々は世界最高レベルでも、全員が同じピッチで最高のパフォーマンスを出す「スペース」はなかった。

CL制覇なし——黄金期の大いなる矛盾

2003年から2009年にかけてのマドリードは、リーガでは2回優勝しているものの、チャンピオンズリーグのタイトルは一度も取れなかった。これは「最高の選手を集めれば最高のチームになる」という仮説を否定する、歴史的な証拠となった。

カペッロ、バニスタ、ルシェンブルゴ、ファビオ・カペッロ(再任)、ベニテス——この時代の監督交代の頻度は異常だった。スター選手たちの自我とプレースタイルを統合することが、いかに困難かを示していた。

カカ獲得と「銀河系2.0」の終焉

2009年夏、フロレンティーノ・ペレスが会長に返り咲いたマドリードは、カカを6500万ユーロで獲得。同じ夏にクリスティアーノ・ロナウドを9400万ユーロで獲得する「世界最大の夏の補強」を断行した。

カカはミランでバロンドールを受賞した世界最高の選手の一人だったが、マドリードでは負傷に悩まされ、本来の輝きを発揮できなかった。ロナウドの台頭と共に、カカはチームの脇役に追いやられていった。

この時代の教訓は、レアル・マドリードがのちに実践する「モドリッチ+クロース+カゼミロ」という「機能美」路線への転換に活かされた。スターを集めることと、勝てるチームを作ることは別の話だ——その痛烈な学習が、次の黄金期の礎となった。