2007〜2017 | セルヒオ・ラモスとともに築いた鉄壁

ぺぺ——マドリードの「守護者」が体現した激闘の美学

2025年6月約7分

レアル・マドリードに10年在籍し、CL3連覇に貢献したペペは、サッカー史上最も「怖れられた」センターバックの一人だ。荒々しいプレースタイルで批判を浴びながらも、彼の守備はマドリードの黄金期を支えた不可欠な柱だった。

ブラジルからポルトガル、そしてマドリードへ

ペペは1983年、ブラジルのアラゴアス州に生まれた。ブラジルで育ちながらも若くしてポルトガルに渡り、ポルティモネンセ、マリティモでキャリアを積んだ後、2007年にレアル・マドリードへ移籍した。移籍金は約3000万ユーロ——当時のDFとしては破格の数字だった。

マドリードでのペペは即座に主力として定着。セルヒオ・ラモスとのCBコンビは攻守両面で機能し、特に守備強度は欧州屈指の評価を得た。ラモスが攻撃参加を厭わないタイプだったのに対し、ペペはより守備に重点を置いたスタイルで、二人は見事に補完し合った。

ポルトガル国籍を取得した後は代表でも活躍し、クリスティアーノ・ロナウドとともにポルトガルの黄金期を支えた。2016年欧州選手権では優勝を経験し、国際舞台でもその実力を証明した。

CL3連覇と「守備の鬼」としての貢献

アンチェロッティ、ジダン体制下でのマドリードCL3連覇(2014・2016・2017年)に、ペペは中心選手として貢献した。特に2014年の「ラ・デシマ(10度目)」は格別な意味を持つ。マドリードが12年ぶりにCLを制したこの優勝で、ペペは最も安定したCBの一人として輝いた。

ペペのプレーは激しいが、単純な「乱暴者」ではなかった。ポジショニングの読み、1対1の強さ、空中戦の勝率——守備者としての基礎能力は極めて高く、特にCLのような大舞台では集中力を切らさず安定したパフォーマンスを発揮した。

批判を受けることも多かったが、それはそれだけ彼が相手にとって「危険な存在」だったことの裏返しでもある。ラモス、ペペ、カルバハル、マルセロというDFラインは、2010年代中盤のマドリードを守った最強のバックラインとして語り継がれている。

マドリードを去った後の証明

2017年にマドリードを離れたペペはベシクタシュ(トルコ)を経て、古巣ポルト(ポルトガル)へ。ここからが驚きの第二章だ。30代後半にさしかかりながら、ペペはポルトのDFリーダーとして高いパフォーマンスを維持し、2021年にはポルトでCL準決勝進出に貢献した。

ポルトガル代表でも40歳を超えてもプレーし続け、2024年欧州選手権でも主力として出場。「守備者は長持ちする」という格言をペペは体現し続けた。

レアル・マドリードの黄金時代を語るとき、華やかな攻撃陣の陰で、ペペという存在が守り抜いた数え切れないゴールラインを忘れてはならない。彼がいたからこそ、ベンゼマは点を取り、ロナウドは輝けた。