2021〜2022 | PSG・チェルシー・マンCityを次々撃破した夜
2022年CL制覇——奇跡の連続が生んだ「14度目」の戴冠
2022年のチャンピオンズリーグは、サッカーの歴史に「奇跡」という言葉の定義を書き換えた大会だった。PSG、チェルシー、マンチェスター・シティという三大ビッグクラブを次々と土俵際で撃退したレアル・マドリードの戦いぶりは、「ベルナベウの魔法」という言葉を世界中に広めた。
PSG戦——ムバッペのゴールが消えた夜
2022年のCL決勝トーナメント、ラウンド16の相手はパリ・サンジェルマン。ネイマール、メッシ、ムバッペという史上最高峰の攻撃陣を擁するPSGは、圧倒的な優勝候補とみなされていた。
第1レグはパリで行われ、PSGが1-0でリード。第2レグはベルナベウで行われた。試合は均衡し、PSGが追加点を挙げてほぼ決着かと思われた後半、カリム・ベンゼマが9分間で3ゴールを叩き込む奇跡の逆転劇が起きた。ハットトリックで3-1とした瞬間、ベルナベウは地鳴りのような歓声に包まれた。
ムバッペが後に「あの夜を生涯忘れない」と語ったほど、この試合はサッカー史に刻まれる逆転劇だった。ベンゼマとクロースの連係、モドリッチの中盤支配——老齢と言われたマドリードは、最高のサッカーでそのレッテルを剥がした。
チェルシー・マンシティ戦の「ベルナベウの魔法」
準々決勝のチェルシー戦も同様の展開だった。第1レグでリードを許しながら、第2レグで追いつき、延長でロドリゴの劇的ゴールで勝ち越した。
準決勝はマンチェスター・シティ——ペップ・グアルディオラ率いる当代最強チームとの対決だった。第2レグの終盤、マドリードは2点差を追う絶体絶命の状況から、ロドリゴの2ゴールで同点に追いつき、延長でベンゼマがPKを決めて決勝進出を決めた。
この試合後、グアルディオラは「信じられない。マドリードにはサッカーを超えた何かがある」と語った。「ベルナベウの魔法」という表現がサッカーメディア全体に広がったのは、この連続する奇跡的な逆転劇があったからだ。
決勝リバプール戦と「14度目」の意味
決勝の相手はリバプール。前年のCL準決勝でも対戦した因縁の相手だ。試合はティボー・クルトワの神がかり的なセービングの連続でリバプールの攻撃を封じ、ヴィニシウスの1ゴールを守り切る形でマドリードが1-0で勝利。
クルトワはこの試合、9回の決定的セービングを記録し、最優秀GK賞を受賞した。「14度目のCL制覇」という数字は他のいかなるクラブも持っていない金字塔であり、最も近いライバルのミランとバイエルンでさえ7度だ。
アンチェロッティ監督はこの優勝について「選手たちへの信頼が生んだ勝利」と語った。カゼミロ、モドリッチ、クロースという「老いた中盤」への批判をはねのけ、若きヴィニシウス、ロドリゴ、べリンガムへのバトンパスを見据えながら達成した2022年の戴冠は、マドリードの「永続する強さ」の証明だった。