1998年 | パリの歓喜

フランス1998年W杯——「多様性の力」が世界を制した夏

2025年5月約7分
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Hara Tech 編集部

欧州サッカー専門メディア「ultrasrei.com」編集部。プレミアリーグ・ラ・リーガ・セリエAを中心に、戦術・歴史・選手考察を発信。

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1998年、地元フランスが初のW杯優勝を達成した。ジダン、アンリ、トレゼゲらを擁するフランスはブラジルを決勝で3-0と圧倒。移民の子弟を多く含む「ブール・ブラン・ブール(黒・白・アラブ)」のチームは、フランス社会の多文化主義の象徴となった。

ジダンの決勝2ゴール——「奇跡の夜」

決勝のブラジル戦でジダンは前半だけで2ゴールを決めた(いずれもコーナーキックからのヘディング)。ジダンがW杯決勝でヘディングゴールを決けたこと自体が驚きで、「それまでほとんどゴールしなかった選手が決勝で2得点」という劇的な展開はフランス中が熱狂した。

3-0の完勝でフランスは初優勝。試合後、シャンゼリゼ通りには100万人以上のファンが集まり、「フランス史上最大の公共の祝祭」となった。

「ブール・ブラン・ブール」——多様性のシンボル

ジダン(アルジェリア系)、アンリ(カリブ海系)、トレゼゲ(アルゼンチン生まれ)、テュラム(グアドループ系)——フランス代表は移民や海外出身者の子弟を多く含んでいた。「黒、白、アラブ」を意味するBBBは、フランスの多文化社会の成功例として世界から注目された。

しかしその後、代表チームをめぐる人種・文化的な対立が浮かび上がることもあった。1998年の優勝は今も「フランスが最も団結していた瞬間」として振り返られることが多い。