2018〜現在 | ブラジルの至宝がマドリードに刻む新章
ヴィニシウス・ジュニオール——スラム街から欧州王者のエースへ
18歳でマドリードに渡ったブラジルの少年は、批判と差別と戦いながら、ゆっくりと、しかし確実に「欧州最高のウィンガー」へと成長した。2022年CL決勝ゴール、2024年バロンドール——ヴィニシウス・ジュニオールの物語は、まだ途中だ。
リオの貧困地区から銀河系へ
ヴィニシウス・ジュニオールは2000年、ブラジル・リオデジャネイロ郊外のサン・ゴンサロに生まれた。経済的に困難な環境で育ちながら、少年はフラメンゴのアカデミーで才能を磨いた。14歳の頃にはすでに「将来のスーパースター」として話題になり、多くのビッグクラブのスカウトが注目した。
2017年、16歳の時点でレアル・マドリードが約4500万ユーロという異例の金額で18歳になった時点での移籍を合意。フラメンゴで18歳まで過ごした後、2018年にマドリードへ渡った。
移籍当初は「粗削り」という評価が支配的だった。ドリブルは素晴らしいがシュートが不正確、守備への貢献が薄い——そうした批判にさらされながらも、ヴィニシウスは毎シーズン確実に成長を続けた。
2022年決勝ゴールと「貧民街の少年」の証明
2022年CL決勝、対リバプール。後半59分、フェデリコ・バルベルデの右クロスをヴィニシウスが左足で押し込んだ決勝ゴールは、クルトワの神セービングとともに試合を決定づけた。
試合後のインタビューでヴィニシウスは語った——「サン・ゴンサロの少年がチャンピオンズリーグ決勝でゴールを決めた。これはただのゴールじゃない、夢が現実になった瞬間だ」。この言葉は世界中のサッカーファンの心を打った。
しかし彼の旅はゴール以上の意味を持つ。スペインのスタジアムで繰り返し受けた人種差別的な野次に対し、ヴィニシウスは常に声を上げ続けた。「差別はサッカーを汚す」——彼の発言は国際的な議論を巻き起こし、スペインサッカー界での人種差別問題への取り組みを加速させた。
2024年バロンドールとマドリードの「新時代」
2024年シーズン、ヴィニシウスはリーガとCLの両方でチームを牽引する活躍を見せ、バロンドールの最有力候補として注目された。モドリッチ世代からべリンガム、ヴィニシウスへと世代交代を進めるマドリードの中で、彼は「新時代のエース」として確固たる地位を築いた。
ドリブル、シュート、守備貢献——かつて批判されたすべての弱点を埋めながら、ヴィニシウスは22歳、23歳と成長し続けた。スピードと創造性という武器に加え、プレッシャーの大きな場面での冷静さも身につけた。
ベルナベウのファンは今、彼の名前を魔法のように叫ぶ。リオの貧困地区から世界最高のステージへ——ヴィニシウス・ジュニオールの物語は、まだその最も輝かしい章を書いている途中だ。