モウリーニョNetflixドキュメンタリー、マドリーファン必見の理由
米国メディア『The Athletic』によると、ジョゼ・モウリーニョを題材にした全3部構成のNetflixドキュメンタリー「モウリーニョ」が8月11日(火)より配信される。デヴィッド・ベッカムのNetflixドキュメンタリーも手がけたジョン・バトセックがプロデュースし、監督のジョー・パールマンがメガホンを取った作品だ。
マドリディスタにとって本作は単なるモウリーニョの回顧録ではない。「ジョゼ・モウリーニョはいかにしてレアル・マドリードへ13年ぶりに復帰したのか」という問いへの答えが、この3時間の中に詰まっている。
最も衝撃的な内容は第3部に凝縮されている。モウリーニョはマドリーでの最初の3年間を終えた後の経緯について「誰も知らないことがある。真実を伝えるという今回の制作の目的からして、話してもいいだろう」と口を開く。
続く告白は驚愕のものだ。2013年夏、引退するサー・アレックス・ファーガソンの後継者として、デイヴィッド・モイーズが就任する前に、モウリーニョ自身がマンチェスター・ユナイテッドの監督就任をいったん承諾していたというのだ。しかし彼は翻意し、チェルシーへの2度目の赴任を選んだ。その理由を彼はこう語っている。「マドリーの後、愛情を感じる場所が必要だった。」
これが事実であることをサー・アレックス・ファーガソン本人が証言している。「彼は涙ながらに電話をかけてきて、気持ちが変わったと言った」とファーガソンは明かしている。モウリーニョが2016年にユナイテッドへ実際に着任するまでの経緯に関する従来の定説を、この告白は覆すものだ。
ドキュメンタリーにはジョン・テリー、フランク・ランパード、イケル・カシージャスら元教え子たちの証言も収められている。ロマン・アブラモビッチのヨットのスタッフチームを指導するためにサルデーニャへ招かれたというチェルシー時代の珍エピソードや、ジョゼップ・グアルディオラへの「サバティカルを取ることを私に語るな。私にとってサバティカルは弱さを意味する」という当てこすりも見どころだ。
しかし作品の真の核心はモウリーニョの内面の脆さにある。子供たちについて「彼らは私がいない方がずっと楽しそうだ」と認める場面、バルセロナのスタッフ時代に「ただの通訳」と軽んじられた若き日の苦悩——普段は決して見せない素顔が随所に映し出されている。
父フェリックスについて語る場面も印象深い。「父は私と正反対で、誰からも愛された。私は感じの良い人間ではない。それが現実だ。誇りを持ってそうしている。選手を負けさせないためなら何でもする」と言い、「自分を変えたくない。今さら遅すぎる」と続ける。「自分自身について話させようとしているが、私はそれを望まない」という言葉も飛び出す——あのジョゼ・モウリーニョが、自分について語りたくないというのだ。
構成上の惜しさも指摘されている。3部構成の本作は、第1部がチェルシー時代を中心とした生い立ち、第2部がキャリアの頂点であるインテル時代、第3部がマドリー第1期以降のすべて(家族の話や脆さの吐露の大部分を含む)という構成だ。ノスタルジーやフットボール界での歴史的功績を無視して一人の男の魂を掘り下げた短編の人物研究にすることもできたし、あるいは尺を伸ばして6〜8話構成にしてキャリアのすべての局面を細かく描くこともできたはずだ。最終的に作品はその折衷案となっており、エンターテインメントとして機能しながらも「別のバージョンも存在し得たのではないか」と思わせる余地を残している。
そして本作にはマドリディスタが見逃せない結末がある。制作の仕上げが進んでいたちょうどそのタイミングで、モウリーニョのマドリー復帰が決定したのだ。「一人の男の没落のプロセスが見えたと思ったら、彼はモウリーニョらしい行動に出る——自分がいるべきだと主張する場所へ舞い戻ってくるんだ」とパールマン監督は語っており、ドキュメンタリーに美しい物語の弧が生まれた。
では、モウリーニョは今なお「エンターテイナー」なのか。本人はそう思っている。マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長もそう思っている。そしてこのドキュメンタリー番組もそう示している。