ジェイ・Zの帝国、サッカー界の頂点へ
ヴィニシウス・ジュニオールの契約延長、そしてディオマンデのマドリー加入——この夏のサッカー界を揺るがした2大ニュースの裏に、1つの代理人会社の名前があった。「Roc Nation Sports」。ラッパーのジェイ・Zが興したレコード会社を起源に持つ米国発の選手代理会社が、わずか3年でサッカー界の頂点に立とうとしている。スペイン紙『AS』がその実像に迫った。
Roc Nationがサッカーに本格参入したのは2023年7月のこと。それまでは北米スポーツや芸能界での存在感が中心だった。ところがそこから36か月足らずで、最も注目を集める選手選手代理会社へと急成長を遂げました。
その原動力となったのが、サンパウロ発祥のTMF Agencyとの統合です。ブラジル人選手との強固なパイプが生まれ、現在は男女合わせて135人のサッカー選手、そして全競技を合わせると1000人ものアスリートを抱えるまでになりました。
Transfermarktによる会社全体の評価額は7億4100万ユーロ。保有選手の内訳では、ヴィニシウス・ジュニオールが1億4000万ユーロ、ディオマンデが9000万ユーロ、エンドリッキが4000万ユーロと評価されています。
ヴィニシウスの社内序列は、NBAのシャーロット・ホーネッツに所属するラメロ・ボールや歌手のリアーナ、アリシア・キーズと並ぶ同社の「顔」。17社のスポンサー契約を持つその影響力は、スポーツの枠を超えたアイコンとして評価されています。
女子サッカーへの投資も見逃せません。ケロリンのFCバルセロナへの移籍を150万ユーロで成立させ、これはマンチェスター・シティ女子史上最高額の売却、バルセロナ女子史上最高額の獲得、さらにはブラジル人女子選手の移籍金としても過去最高額となりました。
社内からは3名の幹部がコメントを寄せています。
フレデリコ・ペーニャCEOは「夢を現実に変え、夢を持つ人を予期せぬ事態から守ることを目指している。クライアントの周囲で何が起きているか、何を伸ばすべきか、どう実現するかを的確に伝えることが成功の鍵だ」と語りました。
ブラジル担当COOのチアゴ・フレイタスは「競技とエンターテインメントは切り離せない。サッカーは人類が生み出した最大のスペクタクルだ。ヴィニシウス、エンドリッキ、ディオマンデは、才能に忍耐と犠牲が加わったとき何が生まれるかを体現している」と述べました。
エージェントのセルジオ・フェルトリーニは「ケロリンはピッチの内外でひとつの手本だ。競技パフォーマンスがいかにビジネスチャンスを生むかを理解した数少ない選手であり、ブラジル女子サッカーの歴史に刻まれる移籍の主役になった」と称えました。
ジェイ・Zの資産は推定25億ドルとも言われています。その帝国が、サッカーという地球最大のスポーツを新たな主戦場に据えた——その動きはまだ始まったばかりかもしれません。