モウリーニョ「ヴィニシウスは組織的に狙われている」──エスパニョール側は反論
スペイン紙『MARCA』が伝えた。モウリーニョは記憶力がいい。そして反射神経も。エスパニョール戦で起きたヴィニシウスをめぐる出来事が試合後会見で必ず出てくることはわかっていた。そして自分が今年2月、ベンフィカ時代にプレスタニ絡みの騒動後に語った言葉も引っ張り出されることも。
だからこそモウリーニョは先手を打った。「かつてヴィニシウスが敵だったときに言ったことを持ち出すのはわかっている。でも今は彼は私の選手だ」と前置きした上で、「対戦相手からも観客からもいじめを受けている」と訴えた。社会的に重みを持つ言葉を使ったことで、議論は新たな次元へと引き上げられた。
✅「計画的にやられている」 モウリーニョは意図的な嫌がらせだと断言した。「1分目からファウルを受ける。1人がイエローをもらったら次の選手が続ける。交代させられたら、イエローなしの別の選手が引き継ぐ。計画的な行為だ。彼にとって本当につらい状況だ」。
発端はカラがヴィニシウスをボールなしの状態で蹴った場面。それが引き金となり、ブラジル人は個人的な衝突に引き込まれていった。さらにモウリーニョはヴィニシウスに対し、もしゴールを決めた場合はリスボンでの過剰な喜び──イエローカードにつながり最終的に退場となった──を繰り返さないよう事前に伝えていたことも明かした。
✅エスパニョール監督は真っ向否定 マノロ・ゴンサレス監督は真っ向から否定した。「触れてはいけないというなら、それはサッカーではない。誰も彼を狙いに行っていない。過度なタックルは見ていない。今の時代、選手に深刻なダメージを与えるプレーはほとんどない。受けたファウルは普通のものだ。マラドーナの時代はもっと激しかった」。
✅変化した問題の本質 かつてヴィニシウスが受けた人種差別は司法による有罪判決も出るほど明白なものだった。しかし現在の問題は人種差別から、スペインの多くのスタジアムでの「スポーツ的・社会的な拒絶反応」へと変容している。「ビーチボール」の歌がその象徴だ。
マドリーはかねて「人種差別が起きた場合は試合放棄する」と表明してきた。しかし今の構図はそれとは異なる。チームとしてできることは少なく、むしろヴィニシウス自身が挑発を無視し、プレーに集中できるかどうかが鍵となる。一方でマドリー内部では「彼はリーガ最多のファウルを受けており、審判の基準が実態に追いついていない」という見方が強い。
✅26歳、副キャプテンとしての重み ヴィニシウスは26歳でチームの第2キャプテンを務める立場だ。コルネジャでの出来事は例外ではなく、積み重ねてきた問題の延長線上にある。モウリーニョは選手を守りながらも冷静さを促す。「いじめ」という言葉を持ち出したことで、議論は社会問題としての側面を帯び始めている。