マドリーのサラリーキャップは8億3270万ユーロでリーガ1位、バルサと大差
スペイン紙『AS』が伝えた。ラ・リーガが2026-27シーズンの1部・2部各クラブの「スカッドコスト上限」(いわゆるサラリーキャップ)を発表した。マドリーとバルサが突出しており、専門家たちはその背景に両クラブのグローバルな展開があると分析している。
✅ マドリーは8億3270万ユーロでトップ
マドリーの上限は8億3270万ユーロで1位。バルサが5億8770万ユーロ、アトレティコが3億6120万ユーロで続く。 ほかのクラブとの差は、スペインのクラブ間の資金力の格差を示しており、商業面での存在感やスポーツマーケティング、収入源の違いと結びついている。
| 順位 | クラブ | サラリーキャップ |
|---|---|---|
| 1 | マドリー | 8億3270万ユーロ |
| 2 | バルサ | 5億8770万ユーロ |
| 3 | アトレティコ | 3億6120万ユーロ |
2026-27シーズンのラ・リーガ「スカッドコスト上限」上位3クラブ(出典: AS)
✅ 資金力の差はタイトルの差に
この経済的な差は、ピッチ上の成績にも表れている。支出できる額が大きいほど、スカッドに投資する余地も大きくなる。マドリーとバルサは、引き続きタイトルの大部分を手にしている。 サッカー関係者が集まる年次イベント「FutPro Expo」のアレシャンドレ・フロタCEOは、「マドリーとバルサとほかのクラブとの経済的な差は、スカッドの価値にも、長年のタイトル争いにも表れている。収入を生み出す力はサッカーの競争力を決める要因で、より大きな投資を可能にし、差をさらに広げる循環を生む」と話す。
✅ サラリーキャップの仕組み
ラ・リーガのサラリーキャップは、各クラブの経済力に応じて、スカッドにかけられる費用の上限を決めるものだ。選手の年俸だけでなく、コーチングスタッフやサッカー部門のその他の費用も含まれる。 上限は大きく2つに分かれる。 ・登録対象スカッド:男子トップチームのみが対象。トップチームの選手、監督、アシスタント、フィジカルコーチが含まれ、新加入選手を登録できる余地を決める上限になる。 ・登録対象外スカッド:女子チーム、下部組織、ほかの競技など、そのほかの部門の費用。
✅ カンテラが戦略的な武器に
若手育成の費用は「登録対象外」に含まれるため、カンテラは収支のバランスを取り、価値ある資産を生み出すための最も戦略的な手段の一つになっている。 フラメンゴと提携するブラジルの育成クラブ、インテル・ジ・ミナスのルシアナ・ミランダ財務部長は、「投資はプロのスカッドだけに集中させる必要はない。方法論、施設、優秀な人材を備えた下部組織づくりも、中長期的に競技面と財務面の成果を生む投資だ」と話す。
✅ 「予防的な管理モデル」
スポーツファイナンスの専門家で、Channel Associadosのマネージングパートナーを務めるモイセス・アサヤグ氏は、「ラ・リーガのサラリーキャップは、財政責任と長期的な財務バランスのための基本的な予防的管理モデルだ。上限を各クラブの収入に連動させることで、予算の規律や、カンテラの有効活用、選手売却、資産価値の向上といった新たな収入源を探すよう促している」と分析する。
✅ 国内市場か、世界市場か
放映権、スポンサー、チケット収入、賞金、商業収入を多く生み出すクラブほど、上限は高くなる。 スポーツマーケティングの専門家アンデルソン・ヌネス氏は、「ラ・リーガの経済格差はブランドの国際化の結果だ。ほとんどのクラブが国内市場に頼っているのに対し、マドリーとバルサは世界規模で事業を展開している。国際的なマーケティングが大型スポンサーと新たな収入源を呼び込み、ほかのクラブとは不釣り合いな支出上限を支え、格差をさらに広げている」と指摘する。 世界規模の収入がトップ選手への投資を可能にし、それがさらなるタイトル、注目度、新たなスポンサーを生む。サラリーキャップは財務の健全性を保つための仕組みだが、新たな数字は、マドリーとバルサとスペインのほかのクラブとの大きな経済格差を浮き彫りにしている。
