「何も変わっていない」──ダービー敗戦で再燃したマドリーの怒りと新たな不安
英国スポーツメディア『The Athletic』が、アトレティコ戦の敗戦後のマドリー内部の反応を詳しく伝えた。審判への怒りというおなじみの構図に加え、クラブ関係者や選手周辺からは、これまでとは違う不満の声も聞こえてきているという。
✅ 7節終えて4位、首位バルサと6差
アトレティコに1-2で敗れたマドリーは、リーガ開幕7試合を終えて4位に後退。首位バルサとの差は6ポイントに開いた。2位アトレティコと3位ベティスは、首位と5ポイント差で続いている。 試合の流れを変えたのは、0-0の場面でのハイセンのジュリアーノ・シメオネへのファウル。PKとなってグリマルドが決め、ハイセンは退場となった。
✅ クラブを挙げて審判を批判
モウリーニョ監督は試合後の会見に、クリスティアン・ロメロのベリンガムへのファウルと、イ・ガンインのバルベルデへのファウルを印刷した紙を持ち込み、「2つとも明らかなレッドカードだ」と訴えた。 これに続いてRMTVも審判を攻撃し、クラブは審判を擁護したハビエル・テバス会長(ラ・リーガ)を批判する公式声明を出した。 スペインメディア向けの説明では、敗戦の原因は審判とVARにあり、「たとえ素晴らしい試合をしていても罰せられていた」と、何らかの意図が働いていることを強くにおわせたという。
✅ 選手周辺から「何も変わっていない」
一方で、今週は新しい種類の不満も聞こえてきたという。 あるトップチーム選手に近い人物は、ダービーを「大惨事」と表現し、その理由を「何も変わっていないことがわかったから」と説明した。 別の人物は「中盤のコントロールの欠如」と「選手たちの姿勢」が「昨季とまったく同じ」だと指摘。「バルサでプレーするロドリを見れば、まさにここに足りないものがわかる。この代表ウィークはとてつもなく長くなる」と語った。 さらに別の人物は「審判の問題より、フットボールの問題の方が大きい」と話している。
✅ シュート枠内ゼロの3人
ダービーでは、コントロールも攻撃の鋭さもほとんどなかった。ハイセンの退場前から、アトレティコを脅かす気配はなかったという。 エムバペ、ベリンガム、ヴィニシウスの豪華な3人も期待どおりの結果につながらず、3人とも枠内シュートは0本に終わった。 昨季もシャビ・アロンソ監督のもとでの初黒星は、2025年9月のアトレティコ戦(2-5の大敗)だった。
✅ 「別の大会でプレーする」という脅し
同メディアの取材に応じたクラブ関係者の一人は、マドリーがスペインサッカーの枠組みの外にある別の大会でプレーする可能性を口にしたという。クラブ周辺ではこれまでも何度か聞かれてきた、軽い脅しのようなものだ。 ただし、CLに出場し続けるならそれは不可能で、取材に応じた他のクラブ関係者たちはこの話を強く否定している。
✅ モウリーニョ陣営の自己批判
非公開の場では、モウリーニョ監督とスタッフも審判の判定を問題視しているが、一定の自己批判もあるという。 その鍵となっているのが、モウリーニョ監督がこの夏に獲得を求めていた創造性のあるMFがいないこと。この見方は、クラブ内外の複数の関係者が共有している。 モウリーニョ監督に近い関係者は「長いリーグ戦の中でバルサとの差を縮める」という自信と決意を示し、「今は頭をクリアにする時だ」と語った。
✅ 審判委員会はイ・ガンインを「退場に値した」
スペインサッカー連盟の審判技術委員会は火曜日の判定分析で、イ・ガンインのバルベルデへのタックルは退場にすべきだったと認めた。 一方で、ロメロへのイエローカードとハイセンへのレッドカードは正しい判定だったとしている。
✅ ペレス体制で繰り返されてきた嵐
同メディアは、今週のような騒動はフロレンティーノ・ペレス会長の時代、特にここ数年、チームが苦しんでいる時期やクラブが組織的な対立を抱えている時期にたびたび起きてきたと指摘する。 2021年8月には、プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガへの参加を検討しているという報道を否定する声明を出した。2024年10月には、ヴィニシウスがロドリにバロンドールを奪われると知り、授賞式をボイコットしている。 モウリーニョ監督自身も、第1次政権の2011年4月、CL準決勝でバルサに敗れた際にUEFAの陰謀を非難した。 10年以上たってベルナベウに戻ったモウリーニョ監督は、再び「クラブの敵」との戦いの先頭に立っている。ただ同時に、10月10日のビジャレアル戦までの代表ウィークで、チームの立て直しにも全力を注ぐことになる。
