トレントは諦めない──解き放たれたプレーを見せる
スペイン紙『AS』が伝えた。
キックオフからわずか1分、ボールが右サイドの攻撃ゾーンにこぼれた。今季リーグ初スタメンのトレント・アレクサンダー=アーノルドが即座にシュートを狙ったが、わずかに枠を外れた。白い鼓動が高まっていた午後の、最初の大きな決定機だった。
✅ 苦しかった昨シーズンと夏
昨シーズンは怪我が続き、チームもベンチ交代という激動を経験した厳しい1年だった。出場は56試合中30試合にとどまり、内訳はリーグ21試合、CL9試合。カップ戦もスーペルコパも出番なし。ジローナ戦とアスレティック戦はメンバー外、バルセロナ・バレンシア・エルチェ戦はベンチスタートだった。
夏もポジティブな材料に乏しかった。イングランドは3位でワールドカップを終えたが、そのメンバーにも選ばれなかった。加えてデンゼル・ダンフリースが加入し、リーグ開幕の2試合はエスパニョール戦・レアル・ソシエダ戦ともにダンフリースがスタメンを張った。
✅ モウリーニョの信頼が転換点に
それでもトレントは折れなかった。右SBの定位置をめぐる競争に加え、チーム内での立ち位置が安定してきたことと、モウリーニョが与えた信頼が落ち着きをもたらした。トレントは7月中旬からポルトガル人指揮官のもとで始動した8人のファーストチーム選手のうちの1人だった。マラガ戦では、かつてクロップのリヴァプールで光っていたポジショニングが戻ってきた。ペナルティエリアに積極的に侵入し、判断が早く、関与度が高い。昨シーズンとは別人のようだった。
✅ マラガ戦の数字
ククレジャの存在と、ハイセン・リュディガーが守備ラインを高く保ったことで、トレントは守備の心配なく前に出られた。それが数字に表れた。
チーム最多の117回のボールタッチ、96本中87本のパス成功率(最終サードでは21本中16本)、シュート2本(1本は枠外、もう1本はGKアルフォンソ・エレーロがセーブ)、3点目となったエムバペへのアシスト、チーム2位の3チャンス創出(ヴィニシウスが4)、クロス12本。さらに6回のボール奪取でチーム3位に入り、そのうちの1回は左サイドでの奪取でベリンガムから拍手を受けた。
積極性。気迫。別次元のトレント。諦めないトレントが、そこにいた。