将軍1人、兵士5人、逸材1人──そして逃した「最後のピース」
スペイン紙『MARCA』が伝えた。
移籍市場最終日のマドリーはいたって静かだった。マヌエル・アンヘルのフラム移籍が確定し、チェマ・アンドレスのブライトン行きが1150万ユーロの追加収入をもたらした。それ以外はシティやバルサのような動きに目を向ける観客の立場だった。
実質的にマドリーの移籍市場が終わったのは8月6日、ヤン・ディオマンデのRBライプツィヒからの獲得が正式発表された時点だ。今夏最大の支出となる移籍金1億2500万ユーロ(固定分)。コートジボワール出身のアタッカーへの期待は大きいが、クラブは意図的に出場機会を調整している。高額の移籍金が選手にプレッシャーを与えないよう、慎重に扱っている。
✅ 最初の補強はモウリーニョ
この夏の補強で最初に決まったのはジョゼ・モウリーニョ自身だった。フロレンティーノ・ペレスの会長選挙キャンペーン中、ソシオ(会員)が投票所に向かう前から正式発表された。同キャンペーン中にはコナテやダンフリースの名前も挙がっており、いずれも7月に速やかに公式発表された。
7月の序盤、W杯開催期間と重なった時期に今夏の補強の大半が集中した。そのなかで最も「サプライズ」だったのがマルク・ククレジャ(5500万ユーロ)の獲得だ。ベルナルド・シウバ加入のわずか2日前の発表で、世間の注目の外から颯爽と決まった。月末にはレバンテからカルロス・エスピが2500万ユーロで加わる新たな驚きもあった。
✅ バルサとの争奪戦
バレンシア出身のエスピ、ベルナルド・シウバ、ククレジャ、ダンフリースはいずれもバルサが一時関心を示していた(ベルナルド・シウバにはアトレティコも)。しかしマドリーがすべての交渉を制した。唯一の「敗北」がロドリだ。元シティのスペイン代表主将はマドリーの猛アプローチにもかかわらずバルサを選んだ。モウリーニョが「実現していれば市場の最後のピースになった」と表現した存在だ。クラブ内では「ロドリの決断は純粋にスポーツ的な理由によるもの。経済面ではマドリーの提示条件が強力で、バルサを上回っていた可能性もある」と語られている。
✅ カンテラが賄った夏
結果として、マドリーが手に入れたのは1人の指揮官(モウリーニョ)、5人の兵士(ククレジャ、ベルナルド・シウバ、ダンフリース、コナテ、エスピ)、そして1人の逸材(ディオマンデ)。唯一の後悔はロドリの「ノー」だが、それでも今夏の市場は高い評価に値する。
しかも今夏の補強は事実上、カンテラ出身選手の売却益によって賄われた。チェマ・アンドレスのブライトン移籍分を含めると合計約2億1100万ユーロ。収支は健全そのものだ。ピッチ上でも、今シーズンの出足が発するシグナルはこれ以上ないほど前向きだ。市場最終日の深夜まで電話を気にするようなストレスもなく、マドリーの夏は穏やかに幕を閉じた。