レアル・マドリード対バルセロナのクラシコは「ボールとスペースの戦い」──Valdano氏「審判を永遠の容疑者にしてはならない」
スペイン紙『El País』のJorge Valdano氏が、クラシコについてのコラムを掲載した。 タイトルは「El balón, el espacio y el sospechoso(ボール、スペース、そして容疑者)」。
✅ 「ただのサッカーの試合ではない」
Valdano氏は、まずこう書いている。
サッカーの試合は、決してただのサッカーの試合ではない。 バルセロナ対マドリーとなればなおさらだ。 何世代にもわたって激しいライバル関係にある、2つの巨大な社会現象であり、スポーツの枠を超えている。
才能で測れば、この試合は比べものがないほどの格だ。 お金で測れば、どちらのチームも何億ユーロにもなる。 期待で測れば、地球規模のスペクタクルだ。 感情で測れば、情熱、不確かさ、愛、そしてあえて言えば憎しみが、これほど集まる場所はない。
✅ 注目は「主審」に
それなのに、とValdano氏は続ける。
この試合を裁く気の毒な主審が、ボールを蹴ったことがあるのかどうかは分からない。 分かっているのは、バロンドールの候補でもなければ、クラシコでプレーするわけでもないということだ。
世界最高クラスのGKが2人、バロンドール候補のFWが2人、そして中盤には何人ものスター選手が並ぶ。 そんな大注目の試合で、視線の多くはこの主審に向けられることになる。 それは、称賛のためではない。
Valdano氏は、ルールが時代とともに複雑になるばかりで、主審の助けにならないと指摘している。 「十戒にも同じことをしていたら、私たちはもう罪の犯し方すら分からなくなっていただろう」
✅ 「推定泥棒」
正義は、よく目隠しをした姿で描かれる。 しかし、両チームのファンは、主審が目隠しを外して相手チームに有利な判定をすると信じ込んでいる。
「誰から盗むのか、なぜ盗むのかはまだ分からない。それでも私たちの目の前にいるのは、推定上の泥棒だ」
Valdano氏は、今週の大一番についてのコラムを、主審の話から始めるのが普通のことのようになっていると書いている。 そして、こう断じている。 「その普通は、異常であり、恥であり、愚かなことだ」
あらゆる疑いに萎縮したその主審は、スローイン一つにも全神経を集中しなければならない。 際どい場面では、神のご加護を祈るしかない。 何をしても、試合後はSNSから離れていたほうがいい。 どちらかのチームにとって、いや両方にとってかもしれないが、彼は「容疑者」から「犯人」になるからだ。
✅ パサレラの「無敗の人たち」
Valdano氏は、アルゼンチンのパサレラの言葉を紹介している。 おそらくアルゼンチンのサッカー史上最高のDFであるパサレラは、ほめる意味ではなく、記者たちを「無敗の人たち」と呼んでいた。 決して負けることがないからだ。
今、「無敗」なのはクラブだ。 勝てば自分たちが優れていたから、負ければいつも手近に犯人がいる。 Valdano氏は、その仕組みがリーガとスペインのスポーツ文化を貧しくしていると書いている。
「スペインの審判には、説明を求めることも、基準の一貫性を求めることも、VARのより明確な使い方や説明責任の仕組みを求めることもできる。しかし、彼らを永遠の容疑者にしていい理由は何一つない」
✅ 「ボールとスペースの戦い」
ここからValdano氏は、「おまけ」の話、つまり試合そのものに移る。 スペースが限られているので、シンプルにまとめると、それは「ボールとスペースの戦い」になるという。
バルセロナは、ボールを楽しむための道具に変え、それで試合を支配し、考え方と粘り強さで相手を崩す。
一方、マドリーが探すのはスペースだ。 エムバペの稲妻のようなスピードと、ディオマンデとベリンガムの前へ向かう技術を生かすための隙間だ。
「ボールは、相手を動かし、気をそらし、最後に驚かせるためのもの。スペースは、サッカーをするロケットを打ち上げるためのものだ」
✅ 「被害者」は何でもできる
どちらも莫大な費用をかけたチームで、プレーの考え方はまったく違う。
直近の流れとホームという条件は、一方が本命だと示している。 しかし歴史は、「被害者」が何でもできることを教えている、とValdano氏は書いている。
クラシコは、リボンをかけたプレゼントのように包まれて、そこにある。 明日、その包みを開けて、中に何があるのかを知ることになる。
Valdano氏は、こう締めくくっている。 「中身が主審でないことを願おう」
※関連記事:モウリーニョ、クラシコ前日会見/クラシコ特集
※本記事は、El PaísのJorge Valdano氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
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