レアル・マドリード、ローマ戦の大逆転はなぜ起きた?──エムバペはCL100試合で史上最年少記録、モウリーニョ「90分間あの強度は不可能」
イギリスメディア『The Athletic』が、ローマ戦(4-3)のマドリーの大逆転を、ダーモット・コリガン記者、ジェームズ・ホーンキャッスル記者、ティム・スパイアーズ記者の3人で分析した。 エムバペの歴代記録、試合後のモウリーニョ監督のコメントも伝えている。
✅ 1-3から最後の10分で3ゴール
マドリーは、試合の大半で、モウリーニョ監督の古巣の一つであるローマに圧倒されていた。 ガスペリーニ監督のローマは、デ・ローンのゴールと、エムバペの同点弾の後のマレンの2ゴールで、83分を前に3-1とリード。このスタジアムで7年以上ぶりとなるCLの試合で、勝利目前に見えた。 しかし、マドリーはいつものように、ありえない反撃を見せた。まずエスピがセットプレーから押し込み、オフサイドのVARチェックの末にゴールが認められた。続いて、今季わずか4分しかプレーしていなかったエンドリッキがCKからヘディングで同点ゴール。最後は、ローマでプレーした経験もあるリュディガーが、90分のCKを押し込んだ。
✅ 「永遠」のモウリーニョと、ガスペリーニの古巣色
ガスペリーニ監督にとっては、不思議な光景だった。試合前から前半を通して、ローマのファンは、タッチラインの反対側に立つモウリーニョ監督を「永遠」とたたえる横断幕を次々と掲げた。2022年、ローマに14年ぶりのタイトルをもたらしたカンファレンスリーグ優勝の場面の旗もあった。 ガスペリーニ監督も、アタランタで10年を過ごし、同クラブ史上最高の監督として歴史に名を残す人物だ。2023-24シーズンのヨーロッパリーグ優勝は、彼の最高傑作として語り継がれている。 今のローマは、システムだけでなく顔ぶれもアタランタに似ている。主将のマンチーニ、負傷したスヴィラールに代わってゴールを守った控えGKゴッリーニ、そして今夏ローマに移籍したデ・ローンは、いずれもアタランタでガスペリーニ監督のもとで頭角を現した選手だ。 アタランタとローマのウルトラスは互いを憎み合っており、アタランタの主将で歴代最多出場のデ・ローンの移籍は大きな反発を招いた。 そのデ・ローンの先制点は見事なものだった。ディバラがコナテからボールを奪い、スーレの折り返しを決めた。
✅ エムバペ、CL100試合目で数々の記録
マドリーはまたしてもCLで苦しんだが、エースの見事な一撃で試合に戻った。 エムバペは、マリオ・エルモソの判断ミスを突き、ゴールから約23メートルの危険な位置でボールを奪うと、迷わずシュート。ローマの主将マンチーニにわずかに当たって、ネットに吸い込まれた。 このゴールは特別なものだった。この試合はエムバペにとってCL100試合目。27歳298日での到達は、リオネル・メッシ(28歳84日)を抜く史上最年少記録だった。偶然にも、メッシも2015年9月のローマ戦で100試合目を迎えていた。 さらにこの同点弾で、エムバペはその100試合で100ゴール関与(72ゴール28アシスト)を達成。72ゴールで、マドリーのレジェンド、ラウール(71ゴール)を抜き、欧州チャンピオンズカップ/CL歴代5位の得点者となった。 後半半ばには、抜け出してGKゴッリーニもかわし、3-2とするかに見えたが、わずかなオフサイドで取り消された。 膝の負傷からの回復期間中にパートナーとパリへ出かけたことなど、エムバペにはマドリーのファンから眉をひそめられる行動もある。それでも、これほど多くの、これほど重要なゴールを決める選手は、ピッチの内外で自分の選択をする権利を得ている、と同記者は指摘する。
✅ 「マドリーはマドリーをやる」
7分間で3ゴール、それも全てセットプレーからの逆転など、まったくありそうになかった。それでも「マドリーはマドリーをやる」のだ。 攻撃陣のほとんどを下げていたローマは、ギュレルのクロスとCKから3ゴールを奪われて崩れ落ちた。まるで2025-26シーズンのアーセナルのようだった。 モウリーニョ監督の5人の交代選手のほとんどが大きなインパクトを残した。中でもギュレルは試合を支配し、ありえない逆転劇の火付け役となった。 エスピは、リーガのエスパニョール戦、エルチェ戦と同じように途中出場からゴールを決め、エンドリッキのヘディングがセーブされたこぼれ球を押し込んだ。その2分後、エンドリッキは見事に跳び上がり、ギュレルの外に巻くCKを頭で合わせた。 リュディガーの決勝点は内に巻くCKから。この時点で、ローマはクロスの守り方をすっかり忘れていた。 マドリーのファンも、選手も、モウリーニョ監督でさえも信じられない様子だった。
✅ モウリーニョへの課題は残る
ローマは最初から、はるかにまとまりがあり、組織されたチームだった。スーレはライン間で何度も危険を生み、ブラジル人WBウェズレイは右サイドで多くのスペースを得た。ヴィニシウスがその側のククレジャを助けなかったからだ。 モウリーニョ監督はハーフタイムに両ウイングを入れ替えて、この問題を修正しようとした。ディオマンデはヴィニシウスよりも守備で献身的に戻った。しかし、マドリーの問題は、ヴィニシウスの最新の不調よりもずっと根深い。 1-3になった後のモウリーニョ監督の答えは、できるだけ多くの攻撃的な選手を投入することだった。そして、なぜかそれが機能した。 それでも、ベルナベウの冷静な人たちは、長くは祝っていないだろうとコリガン記者は言う。モウリーニョ監督のチームはまだかみ合っておらず、リーガで最も難しい2試合、ベティス戦とアトレティコ戦に敗れている。 まだ10月だ。マドリーの歴史には、秋に苦しみ、5月や6月にタイトルを祝ったシーズンがいくつもある。それでも、モウリーニョ監督はすぐに新しいアイデアを見つける必要がある。11日後には、カンプ・ノウでのクラシコが待っている。
✅ モウリーニョ「90分間あの強度は不可能」
モウリーニョ監督は『Movistar』の取材にこう語った。 「難しい試合だった。我々が慣れているのとは違うスポーツをする相手で、対戦するのがとても難しい。でも、あのリズムと強度で、90分間マンツーマンで戦い続けるのは、彼らにとってもとても難しい。彼らがリードしたのは妥当だった。その後、我々は変化を加え、選手たちはとても勇敢だった」 「ガスペリーニは、右サイドの攻撃プランで我々を驚かせた。我々が分析した全ての試合とは違うポジショニングをしてきた。でも、サッカーに奇跡はない。あの強度で90分間は不可能だ」
※関連記事:試合レポート(El País)/エンドリッキのコメント/クラシコ特集
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