レアル・マドリード入りが近づくJJ・ガブリエル、トップチームへの道は保証されていない──The Athletic「ウーデゴールが知っているように」
アメリカメディア『The Athletic』が、レアル・マドリード入りが近づく16歳のJJ・ガブリエルについて、マドリーで若手がトップチームに定着する難しさを伝えている。 執筆は、ギジェルモ・ライ記者だ。
✅ 「扉を打ち破る」難しさ
スペイン語の「tirar la puerta(扉を打ち破る)」という表現は、マドリーでは、若手がトップチームに定着する難しさを表すのによく使われる。
その完璧な例が、今はアーセナルのキャプテンでプレミアリーグ王者のマルティン・ウーデゴールだ。 欧州のトップクラブがこぞって関心を示す中、16歳でノルウェーから加入したが、ベルナベウで定着できず、2021年にアーセナルに売却された。
ブラジル代表FWのエンドリッキも、似たような経験をしている。 2024年に、最大6000万ユーロになる契約でパルメイラスから獲得した。 20歳のエンドリッキはマドリーで3シーズン目を迎えているが、まだ定期的にベルナベウを沸かせてはいない。
昨夏、マドリーはリーベル・プレートのウイング、フランコ・マスタントゥオーノに6200万ユーロを支払った。 わずか18歳で、アルゼンチンサッカー史上最高額の売却になった。 それからわずか1年で、成長に必要な出場時間を求めて、フィオレンティーナにレンタル移籍した。
マンチェスター・ユナイテッドから1月に加入する見込みの16歳、JJ・ガブリエルにとっても、道は簡単ではないだろう。
✅ 下部組織からトップチームに定着するのは難しい
CBのラウール・アセンシオ(23歳)は24-25シーズンにチャンスを与えられ、今もチームの一員だ。 MFのチアゴ・ピタルチ(19歳)も、昨季はチームの端にいた。 しかし、レギュラーとして定着した選手となると、道はずっと険しい。
✅ ウーデゴールの例
最も目立つのが、ウーデゴールの例だ。 ノルウェーのストレームスゴトセトで頭角を現し、欧州の多くのクラブが追いかけた末に、2015年に400万ユーロでマドリーに加入した。
カスティージャで2年を過ごし、ヘーレンフェーン、フィテッセ、レアル・ソシエダにレンタルされ、ソシエダで真価を見せ始めた。 20-21シーズンには、ついにトップチームの座をつかんだように見えた。 しかし、そうはならず、最終的に3500万ユーロでアーセナルに売却された。
✅ 下部組織は「利益を生む」場所に
ここ数年、マドリーの下部組織は、クラブにとって別の役割を果たすようになっている。 売却して、大きな利益を生むことだ。 トップチームに届くことよりも、プロサッカーでキャリアを築ける選手を育てることを優先してきた。
この夏は、それがこれまで以上にはっきりした。 マドリーは、下部組織出身の選手に関する取引で、約2億1500万ユーロを生み出した。
| 選手 | 内容 |
|---|---|
| ゴンサロ・ガルシア | フラムへ4000万ユーロ+変動額200万ユーロ、将来の売却益の30% |
| ニコ・パス | コモとの契約を6000万ユーロで再交渉(2024年8月にセリエAへ移籍) |
| ビクトル・ムニョス | 2025年7月に500万ユーロでオサスナへ(売却益の50%を保持)。この夏、リバプールが4000万ユーロで獲得 |
この夏の下部組織出身選手に関する主な取引(合計約2億1500万ユーロ。『The Athletic』の記事をもとに作成)
✅ 「カルバハル・ルート」
マドリーは、若手を完全に手放すのではなく、いつも買い戻しオプションを残し、ベルナベウに戻る道を残している。 これは「カルバハル・ルート」と呼ばれるようになった。
ダニ・カルバハルは、2012年にマドリーからレバークーゼンに移籍したが、ドイツで素晴らしいシーズンを送って戻ってきた。 そして、マドリードで25個のタイトルを獲得し、昨季の終わりにクラブを去った。
✅ どのポジションも競争は激しい
トップチームの前線には、エムバペ、ヴィニシウス、ヤン・ディオマンデが定着していて、ロドリゴ、ブラヒム、アルダ・ギュレルが控えている。 マドリーでは、どのポジションでも、いつも競争が激しい。
例えば、マドリーは25-26シーズン開幕前に、ベンフィカから左SBのアルバロ・カレーラスを5000万ユーロで獲得した。 1月に解任されたシャビ・アロンソ監督の後を継いだアルバロ・アルベロア監督のもとで苦しんだ後、カレーラスはチームに残った。 しかし、マドリーはこの夏、チェルシーからマルク・ククレジャを5500万ユーロ+変動額500万ユーロで獲得した。
長くクラブにいる選手も、同じような難しさを経験している。 2021年に18歳でレンヌから3500万ユーロで加入したMFエドゥアルド・カマヴィンガは、チャンピオンズリーグを2回制しながら、いまだに不動のレギュラーにはなっていない。
✅ 「今」勝つことが求められる
この2シーズン、主要なタイトルを取れなかったことで、マドリーには「今」勝つ必要がさらに強まった。 特に、モウリーニョ監督を2度目の就任で呼び戻したことで、なおさらだ。 焦点は、未来を作ることではなく、今ここに向かいがちだ。
カルロ・アンチェロッティ監督の時代もそうだった。 アンチェロッティ監督は、エンドリッキについて「マドリーにいたいなら、少しベンチで過ごすのは普通のことだ」と話したことがある。
CBのディーン・ハウセン(21歳)は、マドリーがボーンマスに5800万ユーロを支払って獲得してから2シーズン目。 攻撃的MFのアルダ・ギュレル(21歳)は、フェネルバフチェに3000万ユーロを支払って獲得してから4シーズン目だ。 2人とも、我慢が必要だった。
| 選手 | 加入時の年齢 | 移籍元 | 移籍金 |
|---|---|---|---|
| ウーデゴール | 16歳 | ストレームスゴトセト | 400万ユーロ(2015年) |
| ヴィニシウス | 18歳 | フラメンゴ | 4500万ユーロ(2018年) |
| カマヴィンガ | 18歳 | レンヌ | 3500万ユーロ(2021年) |
| エンドリッキ | — | パルメイラス | 最大6000万ユーロ(2024年) |
| マスタントゥオーノ | 18歳 | リーベル・プレート | 6200万ユーロ |
| ディオマンデ | 19歳 | RBライプツィヒ | 最大1億4000万ユーロ(固定1億2500万+変動1500万) |
| JJ・ガブリエル | 16歳 | マンチェスター・ユナイテッド | 1月に加入の見込み |
マドリーが獲得した主な若手選手(『The Athletic』の記事をもとに作成)
✅ ヴィニシウスと同じ道は難しい
JJ・ガブリエルが、ヴィニシウスと同じ道をたどるのは難しいだろう、とライ記者は書いている。 ヴィニシウスは、2018年に18歳で、4500万ユーロでフラメンゴから加入した。 上層部、特にチーフスカウトのジュニ・カラファト氏とフロレンティーノ・ペレス会長から、忍耐と後押しを受けた。
ヴィニシウスは、より不安定な時期に加入し、それを利用して、カスティージャから少しずつチームに食い込んでいった。
モウリーニョ監督がベンチから安定を取り戻そうとしている中、マドリーが才能探しでより大きなリスクを取っているのは明らかだ。 ディオマンデの獲得と、16歳の選手の追跡が、それを物語っている。 マドリーは、RBライプツィヒに、クラブ史上最高額の1億4000万ユーロ(固定1億2500万ユーロ+変動1500万ユーロ)を支払う可能性がある。 ディオマンデはまだ19歳で、トップレベルでの経験は1シーズンしかないにもかかわらずだ。
✅ ウーデゴールの最年少記録
ウーデゴールは、2015年5月23日に16歳157日でマドリーのトップチームにデビューし、クラブ史上最年少の選手になった。 2010年10月6日生まれのJJ・ガブリエルは、移籍市場が再び開く1月1日に、16歳87日になる。
JJ・ガブリエルが、この中でどこに収まるのか。 それは興味深いところだ、とライ記者は締めくくっている。
