レアル・マドリードの「狂気と混沌」──幻のゴールを祝ったモウリーニョとヴィニシウスは2人ともあごひげ姿、頼みはクルトワ
スペイン紙『El País』のManuel Jabois氏が、ビジャレアル戦で見えたマドリーの「狂気と混沌」を、ユーモアたっぷりのコラムでつづった。 幻のゴールを一緒に祝ったモウリーニョ監督とヴィニシウスは、2人ともあごひげ姿。「ゴールを祝っているのか、新しいルックスを祝っているのか、分からなかった」という。
✅ 「何をしても、誰かが気づく」
Jabois氏は、ヴィニシウスが少しずつ、自分のペースで、急がずに、ピッチ上でやることは見過ごされない可能性があると学び始めている、と皮肉る。 8万人の観衆がいて、リーガがあり、試合は世界中に中継され、体にカメラをつけた人がピッチにいて、暗く不気味な地下室では、何百万もの映像から気になるプレーを確認している人たちがいる。 つまり、走っているドレッドヘアの選手の髪を引っ張るような、どんなにさりげない行為でも、誰かが気づく可能性があるということだ。
✅ VARは「カップルの口論」のようなもの
多くの行為には「時間差」で結果がついてくる。それがVARの一番の価値だとJabois氏は言う。 「カップルの口論のようなものだ。解決したと思った頃に、最後の小さな問題(『大したことじゃないんだけど、ちょっと考えちゃって』)が出てくる。それを冷静に振り返らなきゃいけない。翌日には全員が裁判所にいる」 だからこそ、ゴールが取り消されてマドリーが10人になったとき、Jabois氏が心配したのは「モウリーニョはいつかヴィニシウスを許すだろうか」ということだった。
✅ 「許すのはカンニングではなく、見つかったこと」
モウリーニョ監督は、ヴィニシウスがエンブレムを指さしてキスをする中、ピッチの半分を駆け抜けて、うれしそうに選手たちの輪に飛び込んだ。 そして突然、大惨事が起きた。Jabois氏はこれを、バーで友人に息子の自慢をしている最中に「息子さんがカンニングしました」と知らされるようなものだと例える。 家に帰る道のり。息子以上に興奮していた姿を見られている自分と、息子との気まずい会話。 「カンニングは許せても、見つかったことは絶対に許せない」
✅ あごひげは「50代の危機」
ヴィニシウスは今季、あごひげを伸ばしている。ただしジェームズ・ハーデンのようなひげではない。「誰かがそのひげを引っ張ろうとしても無理だろう。もっとも、ヴィニシウスなら何とか方法を見つけるだろうが」とJabois氏。 モウリーニョ監督も代表ウィークの間に、競馬場で賭けをするブコウスキーの登場人物のようなあごひげを伸ばした。 「代表ウィークは新たな50代の危機だ。何をしていいか分からなくなる。少なくともモウリーニョも、マドリーも分かっていない」
✅ 頼みはベリンガム、ギュレル、そしてクルトワ
ボールは今も、どう動けばいいか分かっていない。チームはほぼ完全にベリンガムとギュレルに依存しているとJabois氏は指摘する。 バルベルデやエムバペのように、1人でスコアを動かせる選手はいる。それでも、「チーム」と呼ばれる昔ながらのもの、つまり仲間をボールの周りに配置し、何とかプレーさせるものは、ほぼすべてベリンガムとギュレル次第だという。 そして、今リーガで4位にいるクラブとしてのマドリーは、もっぱらクルトワ頼みだ。 「でも、こんなことが何度も起きて、すっかりお決まりになっているから、もう誰も眉一つ動かさない。クルトワもひげを伸ばすべきだ」
✅ 「マドリーはマドリーだ」
2週間後にはクラシコがやってくる。誰もがすでにクラシコの話をしている。バルサは飛行機のように飛ばし、マドリーは手押し車のように進んでいる。誰もがその話もしている。 「それでも、マドリーはマドリーだ」と言われる。Jabois氏はそう言われると、「マドリーはマドリーはマドリーはマドリーだ」と返すという。「誰にも理解されないが、少なくとも会話は終わる」 Jabois氏は、物心つく前から家族の影響でマドリーファンだが、今、冷静に選べるとしても、やはりマドリーを選ぶという。 「何度も何度もいろんなことをやってきたから、次に何をするか分からないし、それを説明することなんてなおさらできない。書くことを仕事にしている人間にとって、それはなんとプレッシャーを取り除いてくれることか」
※本記事は、El PaísのManuel Jabois氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
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