レアル・マドリード対バルセロナ、「惨劇」の前の最後の一戦──1936年のコパ決勝と、その後の運命をたどる一冊
スペイン紙『El País』のPedro Zuazua氏が、1936年のコパ・デ・エスパーニャ決勝、マドリー対バルセロナを描いた本を紹介するコラムを掲載した。 タイトルは「El último Real Madrid - Barcelona antes del horror(惨劇の前の最後のレアル・マドリード対バルセロナ)」。
✅ 「惨劇は、来る前にサインを送る」
Zuazua氏は、惨劇はたいてい、やって来る前にサインを送ると書いている。
ただ、慌ただしい日々の暮らしが、ときにそれを隠してしまう。 あるいは、少しずつ高まる緊張や憎しみ、暴力に疲れた心が、苦しみが耐えられないものにならないように、それを隠していくのかもしれない。
Zuazua氏は、群衆の痛みを扱うことにたけていた前世紀のある独裁者の言葉も引いている。 「毎日、黙示録を地平線に見ながら生きることはできない」
✅ 1936年6月21日のコパ決勝
だからこそ、1936年6月21日、スペインではコパ・デ・エスパーニャの決勝が行われたのかもしれない。 まるで何も起きていないかのように。 まるで、この先も何も起きないかのように。
その4週間後に起きたのは、第二共和政の政府に対するクーデターだった。 そして始まったのは、3年続き、50万人以上の死者を出した戦争だった。
✅ マドリーが2-1で勝った決勝
『El «primer» clásico ante el abismo(奈落を前にした「最初の」クラシコ)』(Editorial Base)は、バルセロナ自治大学の教授で歴史家のArnau Gonzàlez i Vilalta氏が、その試合の物語を取り戻し、主役たちのその後の歩みを再構成した本だ。
試合は、マドリーが2-1で勝った。
フランコが率いた反乱、戦争、そして独裁は、あの決勝の主役たちの多くを亡命へと追いやった。 ほかの者たちを葬り、一部はフランコ体制に組み込まれていった。
✅ スポーツを超えたライバル関係の始まり
Zuazua氏は、この本は、多くのことを理解する助けになる、詳しく資料に裏付けられた大作だと評価している。
戦争が始まる前の日々の背景。 スポーツを超えたものとしての、両チームのライバル関係の形成。 街とスタンドに漂っていた空気。 そして、選手、指導者、クラブの幹部たちが、その後たどった道。
Zuazua氏は、この本は、読書とサッカーを通して、スペインの歴史に刻まれた瞬間を生きるための特別な道具でもあると書いている。 戦争という惨劇がやって来る直前の日々を、だ。
※本記事は、El PaísのPedro Zuazua氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
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