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スペイン紙『El País』が、セビージャ戦(4-1)でモウリーニョ監督が先発の土台を大きく動かしたと伝えた。 バルベルデを右SBで、ギュレルを中盤で先発させた。どちらも、モウリーニョ監督が「やらない」と話していた決断だった。 ✅ ローマで救われたプランにしがみつく ローマでの苦しい一戦は、モウリーニョ監督のノートのページをめくらせた。疑念と不安と緊張の中、カンプ・ノウでのクラシコを7日後に控え、バルサとは6ポイント差。モウリーニョ監督はセビージャ戦で、水曜日のオリンピコで泥沼から救い出してくれた選手とプランにしがみついた。 この先発が、次の日曜日のバルサ戦のような難しい試合でも続くのかは、まだ分からない。それでも、モウリーニョ監督の決断はチームの根幹のシステムに関わる、非常に大きなものだった。ビジャレアル戦とローマ戦で見えていたものが、セビージャ戦で確かになった。 まだ実績は少ないが、より多くのバランスと、ライン間のつながりをもたらす先発だった。 ✅ バルベルデを右SBで先発、トレントとダンフリースはベンチ リーガ第9節、モウリーニョ監督は「やらない」と話していた決断をいくつも下した。 シーズン開幕時、つまりつい最近、モウリーニョ監督はバルベルデを、本人が好む中盤で起用し、右SBでは使わないと話していた。しかし、マドリーが血のにじむような苦しみの中で生き延びた直近2試合を、バルベルデはそのサイドで終え、勝った。 ビジャレアル戦の後には「あの夜に限った非常に特別なもの」と話していたが、3日後のローマ戦で逆転が必要になると同じことをした。そして今回は、最初からそのサイドで先発させた。 ベンチに残ったのは、この2年の夏に獲得した2人の右SB、トレント・アレクサンダー=アーノルドとダンフリース(移籍金2000万ユーロ)だ。これは、強化計画にも疑問を投げかける状況だ。 ✅ ギュレルを中盤の底に、「セメント工場」に別れ ギュレルについても同じことが起きた。モウリーニョ監督は代表ウィーク前、ギュレルはまだ中盤の底のポジションの準備ができていないと話していた。しかし、ビジャレアル戦とローマ戦をそのポジションで終え、セビージャ戦ではチュアメニの隣で先発した。 ローマで、またしても一緒に試合のプランを押し付けられなかった、チュアメニとバルベルデの「セメント工場」に別れを告げた形だ。 ギュレルはビルドアップを整理し、より多くのパスコースを提供しようとしただけでなく、1-0のゴラッソも決めた。ペナルティエリア手前からの見事な一撃だった。スタンドはスタンディングオベーションでギュレルを送り出した。 ✅ エンドリッキが先発、ディオマンデもゴール モウリーニョ監督はエンドリッキについて多くを語ってこなかったが、水曜日までは数字が全てを物語っていた。この若いブラジル人は、負傷で始まった今季、わずか4分しかプレーしていなかった。オリンピコでの決定的な活躍で、セビージャ戦では右サイドで先発の座をつかんだ。 左サイドには、出場停止のヴィニシウスの代わりにディオマンデが入った。ヴィニシウスのリーガ4試合の出場停止が始まり、コートジボワール人には大きな窓が開いた。 ディオマンデは最後に決定的なシュートでセビージャを突き放し、エムバペとつながって3点目のPKを引き出させた。さまざまなドリブルも見せたが、仲間とつなぐ場面やシュートの場面では、うまくいかないこともあった。後半開始直後のチャンスもそうだった。 ✅ ギュレルの「レッド」をめぐる論争 モウリーニョ監督が探し続ける一方で、クラブの審判をめぐる戦いも並行して続いている。組織された応援席は、スペインサッカー連盟と、クラブのテレビ局の手法をナチス政権になぞらえたリーガのテバス会長に向けたチャントを歌った。 セビージャのルイス・ガルシア・プラサ監督は、ギュレルがペケ・フェルナンデスへの手での一撃でレッドカードを受けなかったことに不満を述べた。 「65分間、11人対10人の試合をさせてもらえなかった」 これに対し、モウリーニョ監督は「はっきりした映像は見ていない」と答えた。一方で、モウリーニョ監督はベティス対バルサの判定には抗議した。
スペイン紙『El País』が、ローマ戦(4-3)の勝因と、モウリーニョ監督の「強硬路線」を分析した。 またしてもプランAは崩れ、チュアメニとバルベルデのコンビを試合中に解体したことで、逆転への道が開けた。それでもモウリーニョ監督は、このコンビへの信頼を変えていない。 ✅ 揺れるマドリーとプランAの崩壊 オリンピコのマドリーファンの最前列には、6月の会長選挙に立候補したエンリケ・リケルメ氏が立ち上げたソシオの団体のロゴが入った横断幕が見られた。マドリーの周辺は揺れている。そんな中、チームは「緊急プラン」と、モウリーニョ監督の「ほうき車(最後尾)」にいた選手たちのおかげで、また一つ崩壊を回避した。 またしても、プランAは失敗した。中盤のチュアメニとバルベルデのコンビは「破綻」し、試合中に解体されて、ギュレルとベルナルド・シウバが入った。 ✅ ギュレルの中盤起用、ベルナルドの復活 モウリーニョ監督は数週間前、ギュレルについて、中盤の中央という繊細なポジションを任せるにはまだ成熟していないと話していた。シャビ・アロンソ監督とは違い、その育成に時間をかけるつもりはないという姿勢だった。 基本的にはもっと前のポジションで起用してきたが、ビジャレアル戦とローマ戦の緊急事態で中央に置くことになった。そして、それがうまくいった。 32歳のベルナルド・シウバは、トップレベルのチームを指揮する経験なら有り余るほどある。ただ、直前の3試合(エルチェ戦、アトレティコ戦、ビジャレアル戦)の出場はわずか8分。開幕時は先発だったが、姿を消していた。 ✅ それでも「チュアメニ&バルベルデ」を信頼 慎重さと守備的・リアクション型の戦い方でタイトルを積み重ねてきたモウリーニョ監督が、全員がそろって以降、最も信頼しているのがチュアメニとバルベルデのコンビだ。前任者たちも信頼し、そして解任されたコンビでもある。 チュアメニの負傷明けから、2人はエルチェ戦、アトレティコ戦、ビジャレアル戦、ローマ戦と4試合連続で先発。しかし直近2試合は、このコンビを崩してから勝利をつかみ、ダービーでもチュアメニを下げてベルナルドを入れた終盤にだけ希望の光が見えた。 それでもオリンピコの通路で、モウリーニョ監督は革命を予告しなかった。むしろ、少なくともこういう試合では、2人のコンビという「コンクリート」への信頼を強調した。 「試合を終えたメンバーで始めていたら、5点取られていた」 ✅ 前線4人が「孤立」した前半 モウリーニョ監督の大きな関心事は、今も攻守のバランスだ。スター選手の攻撃陣は守備の性質に乏しい。彼らが守備にすべての力を注がないなら、チームは後ろから組み立てなければならない、とコーチングスタッフは考えている。 前半の平均ポジションは、チームの完全な分断を示していた。6人の選手が自陣で相手に「叩きのめされ」(モウリーニョ監督の言葉)、前線の4人(ヴィニシウス、ディオマンデ、ベリンガム、エムバペ)は敵陣で、残りの選手から切り離されていた。 ✅ クルトワのパス試行はいつもの倍 『Opta』によると、クルトワのパス試行数は55本で、コナテ(58本)に次いでチーム2位。これは今季の他の試合の平均(28本)の約2倍だった。 ✅ 1時間で「プランA」を捨てて流れが変わる マドリーが転機を見つけたのは、1-3となった1時間すぎ、プランAを捨ててからだった。 ギュレルの投入で、バルベルデは2試合連続で右SBへ。モウリーニョ監督は試合前、ビジャレアル戦での起用は「非常に特別なもの」だと話していた。そして70分、ベルナルド・シウバの投入でチュアメニがピッチを去った。 前線では、今季わずか4分の出場だったエンドリッキ(59分にヴィニシウスと交代)と、ディオマンデと代わったエスピが、ギュレルのクロスをものにした。 80分までにマドリーが放ったシュートは9本で、枠内は3本。それがアディショナルタイムを含む最後の15分間だけで7本、うち5本が枠内に飛んだ。 ✅ モウリーニョ「少しは私の手柄も認めてくれ」 モウリーニョ監督は、白いものが混じったあごひげを伸ばしながら、こう自分を主張した。そのひげは、チームへの疑問と同じペースで伸び続けている。 「(試合を終えたメンバーでは)超攻撃的で強度の高い相手に耐えるのは不可能だ。いろいろな時間帯がある。戦略面で、監督は時にばかになり、時にとても優秀になる」 「3-1から3-4にするために全てを準備した天才だとは言わない。でも、最後の20分に打てる交代カードがあると考えていた。エルモソはディオマンデについていて、ガス欠になったところでエンドリッキを入れた。少しは私の手柄も認めてくれ」
スペイン紙『El País』が、CLリーグフェーズ第2節、ローマ対マドリーの試合を伝えた。 マドリーは1-3とリードされながら、途中出場のギュレル、エンドリッキ、エスピが流れを変え、82分からわずか7分間で3ゴール。4-3の大逆転勝利で、CL2連勝を飾った。 ✅ 「忘れられた者たち」がマドリーを救う 崩壊寸前に見えたチームの瓦礫の下で、絶体絶命の淵での捨て身の衝動に駆られる、このクラブの野性の魂はまだ脈打っていた。 ボールをつなぐ力でも勢いでも上回るローマを相手に、ふらふらになっていたマドリーは、1-3と崩れかけたところで立ち上がった。 現れたのは、脇に追いやられていた者たち。ギュレル、エスピ、そして何よりエンドリッキだった。エスピ、エンドリッキ、リュディガーが7分間で3ゴールを奪い、その全てがギュレルのレーザーのように正確なCKから生まれた。 『El País』は、モウリーニョ監督にとって、この不条理から抜け出す道は正統派の起用よりも、ベンチの「端」にあるのかもしれないと指摘している。 ✅ 足技のある4人をベンチに モウリーニョ監督は、オリンピコへの帰還となったこの試合で、足元の技術に優れたハイセン、トレント、ギュレル、ベルナルド・シウバをベンチに置いた。 先発は、クルトワ、ダンフリース、リュディガー、コナテ、ククレジャ、バルベルデ、チュアメニ、ディオマンデ、ベリンガム、ヴィニシウス、エムバペの11人。 ガスペリーニ監督のローマは、予想どおりマンツーマンで選手を追いかけ、CBとクルトワには考える時間を与えた。しかし、ほとんどの選択肢は間違いに見えた。クルトワは2度エムバペにつないだが、エムバペは背を向けて受け、2タッチ目で失った。 ローマにとって、ボールを奪うことは「小さくて混み合った池で魚を釣る」ようなものだった。手を入れれば獲物が取れる。開始3分には、マリオ・エルモソの見事なカーブシュートをクルトワが横っ飛びではじき出した。 ✅ チュアメニのミスから先制を許す 19分、チュアメニがダンフリースへの簡単なパスをミス。ローマは一気にゴールへ迫り、最後はデ・ローンがペナルティエリア手前から鋭いシュートを放った。ボールは背中にわずかに当たってコースが変わり、クルトワは反応できなかった。 ローマはリードするだけでなく、マドリーをふらつかせ続けた。ディバラ、マレン、スーレが躍動し、マドリーの中盤は「存在しないふりをする深淵」のようだった。 ✅ エムバペの同点弾も、マレンが2発 それでもマドリーは、ふらつきながらも引き金に指をかけていた。24分、チュアメニが高く跳ね返したボールがディオマンデの頭に当たり、次のバウンドでエムバペがペナルティエリア手前でフリーに。マンチーニに当たってコースが変わり、ネットを揺らした。 しかし、同点は束の間の息抜きにすぎなかった。チュアメニ、バルベルデ、ベリンガムは走り続けたが、ローマの勢いを止めるには足りない。 ヴィニシウスは守備でも攻撃でも存在感がなかった。50分、ヴィニシウスのヒールパスのロストから、ディバラに代わって入ったロドリゴ・モラがマレンにつなぎ、マレンのシュートはバルベルデに当たってクルトワを破った。 さらに56分、どんどん混乱していくマドリーを突いて、マレンが3点目を奪った。 ✅ ヴィニシウスを下げ、ギュレルとエンドリッキ投入 ここでモウリーニョ監督が動いた。58分、ヴィニシウスとダンフリースを下げ、ギュレルとエンドリッキを投入。バルベルデを右SBに下げた。 すると反撃の気配が生まれた。けん引したのは、スピードがあって大胆なエンドリッキと、左サイドで自由になったディオマンデだ。 ギュレルと、69分に入ったベルナルド・シウバの足元がマドリーを立て直し、それまでできなかった連係も見られるようになった。一方で背後のスペースを突かれ、ひやりとする場面もあった。 ✅ 7分間で3ゴール、全てギュレルのCKから 崖っぷちのモウリーニョ監督は、77分にもう一人のFW、エスピを投入。ほとんど「お守り」のような存在だ。 エスピは5分もたたないうちに結果を出した。82分、ギュレルのCKからエンドリッキがヘディング。GKがはじいたボールの落下地点を読み、押し込んだ。いつものように。 84分にはギュレルのCKからエンドリッキが同点ゴール。そして89分、またもギュレルの絶妙なCKから、リュディガーが逆転ゴールを決めた。 マドリーは、どう見ても戻れないはずの場所から戻ってきた。『El País』は、この逆転劇を「不条理」と表現している。
スペイン紙『El País』に、スポーツ法の専門家3人が、ヴィニシウスの退場について競技規則の解釈の観点から論じた寄稿を掲載した。 ヴィニシウスがサリバの髪を引っ張ったことに疑いの余地はない。問題は、その行為があったことを確認するだけでレッドカードを正当化できるのか、それとも、どのように、どれほどの強さで、どんな状況で起きたのかも評価する必要があるのか、という点だという。 ✅ 「事実の確認」と「規則上の判断」は別物 3人は、法的な解釈の観点から、この違いは決して小さくないと指摘する。 事実を確認することと、それを規則上どう判断するかは別の作業で、その間には解釈の余地がある。最初の作業の結果が明白だからといって、その余地が消えるわけではない。 つまり、髪をつかんだこと自体は事実として見て取れるが、それが「軽い」ものか「過剰な力」によるものかを判断するには、解釈が必要だということだ。 ✅ 競技規則第12条は「過剰な力」を要求 IFABの競技規則第12条は、乱暴な行為について「競技者がボールを争っていないときに、相手競技者に対して過剰な力や残忍さを用いる、または用いようとした場合」に退場とすると定めている。 また、CTA(審判技術委員会)の解釈基準も、「行為の強さ、動作、当たった部位、用いた力、相手の身体に与えたリスクといった要素を評価する必要がある」と認めている。 さらに第12条は、髪を引っ張るのと似た他の行為について、「用いた力がごくわずかでない限り、乱暴な行為とみなされる」とも定めている。 したがって、評価は難しいものの、レッドカードに値するには、不正な身体接触があるだけでは足りず、広い意味での暴力があるだけでも足りない。過剰な力を用いるか用いようとするか、残忍さに訴える必要がある。だからこそ、行為そのもの(疑いはない)とその強さ、行為の存在とその重大さを区別しなければならない、と3人は主張する。 ✅ サリバは倒れず、抗議もしなかった ヴィニシウスのケースでは、髪を引っ張ったことに議論の余地はない。では、何をもって「過剰な力や残忍さ」で行われたと言えるのか。 映像では、サリバが髪を引っ張られて倒れたり、プレーを続けられなくなったりした様子は見られない。本来、そうした結果こそ、接触の性質と強さを評価するうえで考慮されるべきものだ。 実際、サリバは何事もなくプレーを続け、そのプレーがヴィニシウス自身のゴールにつながった場面でも、抗議もファウルの要求も、確認の要求もしなかった。 何度も映像を見返せるVORルームでは、髪をつかんだかどうかだけでなく、その動作の性質、強さ、相手選手や試合への影響も検証すべきだった。それを「過剰な力や残忍さ」と判断したのは疑問だ。主審がモニターで確認したうえで同じ結論に達したことも疑問だと、3人は指摘する。 ✅ オフサイドとは違う この種の場面は、オフサイドのような判定とは根本的に違うと3人は言う。 オフサイドでは、テクノロジーによって選手の位置を非常に正確に特定でき、反則の決定的な要素についての不確実性を減らすことができる。 一方、ある接触が「過剰な力や残忍さ」を伴う行為かどうかを判断する場面では、客観的で反論の余地のない答えを出せる同等のツールは存在しない。その動作が規則の求める基準を超えているかどうかを判定する装置は、「まだ」ない。その評価は審判の判断に委ねられたままだ。 だからこそ、事実の確認とその判断を混同しないことが重要になる。VARは何が起きたかについての疑問を晴らすことはできても、規則の解釈に伴う裁量をなくすことはできない。 ✅ 「防御的な」解釈の問題 この一件は、より一般的な問題を浮き彫りにしているという。それは、規則を「防御的に」解釈する傾向だ。 行為の客観的な要素に決定的な重みを置き、判断に関わるべき他の基準を後回しにする。たとえそのほうが議論を呼ぶ評価になるとしてもだ。 この防御的なやり方には、不確実性を減らし、判定を簡単に正当化できるという目先の利点がある。髪を引っ張るのが映像で見えれば、退場は反論の余地のない事実に裏付けられているように見える。 しかし、事実が明白だからといって、その判断が正しいとは限らない。 ✅ 「髪を引っ張れば即退場」なら、そう明記すべき CTAが、乱暴な行為には過剰な力や残忍さが必要だと考えているなら、行為の物理的な要素が客観的に確認できるたびに、それらの要件を省いていい飾りのように扱うことはできない。 「どんな髪の引っ張りでも、強さや状況に関係なく自動的にレッドカードに値するなら、重さを段階づける判断基準は何のためにあるのか。髪をつかむ行為はすべて退場が義務となる反則だと、はっきり定めるほうが一貫しているのではないか」と3人は問いかける。 VARとディアス・デ・メラ主審がどんな論理をたどったのかは、具体的な判定理由(審判報告書には記載されていない)が分からない以上、確かなことは言えない。 それでも、この結果は正当な疑問を投げかけている。乱暴な行為の定義に含まれるすべての要素が評価されたのか、それとも、髪を引っ張ったという事実だけで十分とされたのか、という疑問だ。 ※本記事は、El PaísのJosé Luis Pérez Triviño氏、Francisco Javier López Frías氏、Rafael Valencia Candalija氏(いずれもスポーツ法の専門家・大学教授)による寄稿(意見記事)の内容を紹介したものです。
スペイン紙『El País』のManuel Jabois氏が、ビジャレアル戦で見えたマドリーの「狂気と混沌」を、ユーモアたっぷりのコラムでつづった。 幻のゴールを一緒に祝ったモウリーニョ監督とヴィニシウスは、2人ともあごひげ姿。「ゴールを祝っているのか、新しいルックスを祝っているのか、分からなかった」という。 ✅ 「何をしても、誰かが気づく」 Jabois氏は、ヴィニシウスが少しずつ、自分のペースで、急がずに、ピッチ上でやることは見過ごされない可能性があると学び始めている、と皮肉る。 8万人の観衆がいて、リーガがあり、試合は世界中に中継され、体にカメラをつけた人がピッチにいて、暗く不気味な地下室では、何百万もの映像から気になるプレーを確認している人たちがいる。 つまり、走っているドレッドヘアの選手の髪を引っ張るような、どんなにさりげない行為でも、誰かが気づく可能性があるということだ。 ✅ VARは「カップルの口論」のようなもの 多くの行為には「時間差」で結果がついてくる。それがVARの一番の価値だとJabois氏は言う。 「カップルの口論のようなものだ。解決したと思った頃に、最後の小さな問題(『大したことじゃないんだけど、ちょっと考えちゃって』)が出てくる。それを冷静に振り返らなきゃいけない。翌日には全員が裁判所にいる」 だからこそ、ゴールが取り消されてマドリーが10人になったとき、Jabois氏が心配したのは「モウリーニョはいつかヴィニシウスを許すだろうか」ということだった。 ✅ 「許すのはカンニングではなく、見つかったこと」 モウリーニョ監督は、ヴィニシウスがエンブレムを指さしてキスをする中、ピッチの半分を駆け抜けて、うれしそうに選手たちの輪に飛び込んだ。 そして突然、大惨事が起きた。Jabois氏はこれを、バーで友人に息子の自慢をしている最中に「息子さんがカンニングしました」と知らされるようなものだと例える。 家に帰る道のり。息子以上に興奮していた姿を見られている自分と、息子との気まずい会話。 「カンニングは許せても、見つかったことは絶対に許せない」 ✅ あごひげは「50代の危機」 ヴィニシウスは今季、あごひげを伸ばしている。ただしジェームズ・ハーデンのようなひげではない。「誰かがそのひげを引っ張ろうとしても無理だろう。もっとも、ヴィニシウスなら何とか方法を見つけるだろうが」とJabois氏。 モウリーニョ監督も代表ウィークの間に、競馬場で賭けをするブコウスキーの登場人物のようなあごひげを伸ばした。 「代表ウィークは新たな50代の危機だ。何をしていいか分からなくなる。少なくともモウリーニョも、マドリーも分かっていない」 ✅ 頼みはベリンガム、ギュレル、そしてクルトワ ボールは今も、どう動けばいいか分かっていない。チームはほぼ完全にベリンガムとギュレルに依存しているとJabois氏は指摘する。 バルベルデやエムバペのように、1人でスコアを動かせる選手はいる。それでも、「チーム」と呼ばれる昔ながらのもの、つまり仲間をボールの周りに配置し、何とかプレーさせるものは、ほぼすべてベリンガムとギュレル次第だという。 そして、今リーガで4位にいるクラブとしてのマドリーは、もっぱらクルトワ頼みだ。 「でも、こんなことが何度も起きて、すっかりお決まりになっているから、もう誰も眉一つ動かさない。クルトワもひげを伸ばすべきだ」 ✅ 「マドリーはマドリーだ」 2週間後にはクラシコがやってくる。誰もがすでにクラシコの話をしている。バルサは飛行機のように飛ばし、マドリーは手押し車のように進んでいる。誰もがその話もしている。 「それでも、マドリーはマドリーだ」と言われる。Jabois氏はそう言われると、「マドリーはマドリーはマドリーはマドリーだ」と返すという。「誰にも理解されないが、少なくとも会話は終わる」 Jabois氏は、物心つく前から家族の影響でマドリーファンだが、今、冷静に選べるとしても、やはりマドリーを選ぶという。 「何度も何度もいろんなことをやってきたから、次に何をするか分からないし、それを説明することなんてなおさらできない。書くことを仕事にしている人間にとって、それはなんとプレッシャーを取り除いてくれることか」 ※本記事は、El PaísのManuel Jabois氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
スペイン紙『El País』が、ビジャレアル戦で見えた、モウリーニョ監督の「最もモウリーニョらしい」姿を分析した。 報道陣や審判を名指しで批判する昔ながらの「演出マニュアル」に頼る一方で、チームの根幹に関わる大きな決断も下していたという。 ✅ 「最後はDNAが勝つ」 「最後は、DNAが必ず勝つ」 マドリーに就任した当初、63歳になって落ち着いたように見えると言われたとき、モウリーニョ監督はこう予告していた。「感情的でなくなった」という見方には同意しつつも、遅かれ早かれ本性は出るということを否定しなかった。8月には「自分ではないものにはなれない」とも話している。 そして10月。リーガの4分の1も終わらないうちに、モウリーニョ監督は昔ながらの演出の手口を使い始めた。立て直せないチーム、バルサとの6ポイント差、2週間後に控えるカンプ・ノウでのクラシコ――。 ビジャレアル戦は、昔ながらの「扇動型」のモウリーニョ主義の復活を印象づけた。しかも、それはモウリーニョ監督が選手の配置に最も大きく手を入れた試合でもあった。 ✅ 危機のときの「マニュアル」 常に「物語」をコントロールしようとするモウリーニョ監督は、危機のときのレパートリーを一つずつ繰り出してきた。 代表ウィーク直前、ベティス戦(0-1)で今季初黒星を喫した後には、有名な「なぜ?」を復活させた。アディショナルタイムにエムバペが外したPKが、エリアへの侵入があったにもかかわらず蹴り直しにならなかったことについてだった。 この場面は、2011年のCL準決勝第1戦、ペペが退場してバルサに0-2で敗れた後の、あの忘れられない会見を思い起こさせた。 そして、チームのサッカーへの疑問が高まるのと重なるように、直近3回の会見で、モウリーニョ監督はおなじみのマニュアルを全面的に広げた。 外に敵を作り、揺さぶりをかけ、議論の流れを自分で動かす。それが、困難な時期のモウリーニョ主義の第1ページだ。 ✅ ダービーでは「紙」を手に審判批判 まず、メトロポリターノでのダービーでは、主審を徹底的に批判した。昔のように紙を手に、2つの疑惑の判定を示してみせた。 映像を見れば、その不満は理解できるものだった。しかし同時に、それは11人対11人だった時間帯のマドリーのパフォーマンスへの自己批判をかわし、リードされている中で54分という早い時間にヴィニシウスを交代させた理由を説明しないことにもつながった。 ✅ 報道陣を批判、そして会見欠席 代表ウィーク明けには、さらに燃料を投下した。金曜日の会見では、「報道陣がベルナベウでのエムバペへのブーイングをあおっている」と非難した。実際には大きなブーイングにはならず、口笛程度にとどまった(最近のスタジアムではおなじみの音だ)。 そしてビジャレアル戦の苦しい勝利の後には、記者たちとの約束をすっぽかした。クラブによれば、セビージャ戦(次の日曜日)とバルサ戦(10月25日)でベンチに座りたかったためだという。 試合中ずっと、主審の判定に対する苛立ちは明らかだった。2011年の同じ会見での「審判に思っていることを言ったら、私のキャリアは終わってしまう」という言葉の再現のような反応だった。 ✅ クラブ首脳陣へのアピールにも モウリーニョ監督は就任直後、審判の誠実さを信じていると話していた。しかし、ここにきて再び審判との緊張関係が強まっている。 これはクラブ首脳陣からの評価を高めることにもつながるかもしれない。首脳陣はネグレイラ事件をめぐって審判界と休みなく戦っているが、同時に、チームが昨季からあまり改善していないことを心配している。 直近2試合(アトレティコ戦とビジャレアル戦)で、マドリーのxG(ゴール期待値)は合計1.27。2試合で約1時間、相手が1人少ない状態でプレーしたことを考えると、乏しい数字だ。 ✅ 「最も介入した」試合 リーガの規定で義務付けられている試合後会見を欠席したことで、モウリーニョ監督は、チームに関して下した決断について説明せずに済んだ。その決断は、数も少なくなければ、小さなものでもなかった。 この試合のモウリーニョ監督は、今季最も神経質だった。これまでの試合と比べて、ずっと立ち上がってジェスチャーを繰り返していた。そして、最も積極的にチームに手を加えた。 前日会見では課題を修正するための調整を予告していたが、試合前と試合中に実際にやったのは、マドリーの根幹のシステムの非常に敏感な部分に手を入れることだった。 ✅ ヴィニシウスを初めてベンチに、バルベルデを右サイドに まず、初めてヴィニシウスをベンチスタートにした。その後、ヴィニシウスの2-0のゴールの際には、主審がサリバの髪を引っ張ったとしてゴールを取り消す前に、駆け寄って抱きしめた。これもモウリーニョ流のジェスチャーだ。 さらに30分すぎからは、バルベルデを本人があまり好まない右サイドへ移した(最初は中盤の右、その後は右SB)。 会見を欠席したため、この2つの決断について説明はなかった。説明は、UEFAの規定で会見出席が確実な、火曜日のローマでのCL第2節の前日会見を待つことになる。 リーガからの罰金の可能性について、マドリーは「重要ではない」と反応した。 ✅ ベンフィカでも同じだった 1年前、ベンフィカでも、モウリーニョ監督は最初は落ち着いた、融和的な姿で登場した。ポルトガル国内のメディアの一部は、「元老院議員のようだ」と表現した。 そのメディアは、リスボンのチームを目覚めさせるために、モウリーニョ監督の「好戦的で、挑発的で、生々しく、苛立たしく、傲慢な」顔を求めていた。 そしてマドリーでも、道が曲がり始めた途端、モウリーニョ監督はスタイルを切り替えた。
スペイン紙『El País』が伝えた。マドリード県検察は、ベティスとマドリーの試合中のライブ配信で、ベティスのエクトル・ベジェリンに同性愛差別的な発言をしたとして、YouTuberでコンテンツクリエイターのイニャキ・アングロ氏に対する捜査を開始した。 ✅ スポーツ団体の告発がきっかけ 検察関係者によると、告発は1か月前に「スポーツにおける透明性と民主主義協会(Asociación Transparencia y Democracia en el Deporte)」が行った。その後、100人近くが告発に加わったという。 問題とされているのは、ベティスとマドリーの試合中にアングロ氏が行ったYouTubeのライブ配信だ。 ✅ 「爪を塗る」「女性の本を読む」ことを理由に侮辱 告発によると、アングロ氏は配信で、ベジェリンが爪にマニキュアを塗ることや、女性作家の本を読むといった趣味を取り上げ、同性愛者を侮辱する差別的な言葉で呼んだ。 名前を出さずに揶揄する形で、政治的な立場や移民をめぐる差別的な発言も重ねたうえで、ヴィニシウスとベジェリンを比べて同性愛者をおとしめる言葉を繰り返したという。 ✅ 基本的人権に対する罪の可能性 検察は、基本的人権と公的自由に対する罪にあたる可能性があるとして捜査している。 ※本記事では、差別的な表現をそのまま掲載することを避け、内容を要約して紹介しています。
スペイン紙『El País』が伝えた。マドリーのCBラウール・アセンシオが、右脛の疲労骨折のため木曜日に手術を受ける。クラブが水曜日に発表した。 ✅ 離脱は2〜4か月の見込み カナリア諸島出身のアセンシオは、年初からこの負傷を抱えていた。手術を避けて保存療法を続けてきたが、ここにきて限界を迎えた。 離脱期間は2〜4か月と見込まれている。 ✅ CB不足がさらに深刻に アセンシオの離脱で、モウリーニョ監督が使えるCBはさらに不足する。 代表ウィーク中にはコナテが負傷し、ミリトンも長期離脱からの復帰を目指している段階だ。 ✅ モウリーニョ体制でのデビューはさらに先に アセンシオはこれで、モウリーニョ監督のもとでのデビューがさらに遅れることになる。今季はまだ1分もプレーしていない。 9月初めには、アセンシオがこの夏、グラン・カナリアで交通安全に関する罪で有罪判決を受けていたことが明らかになった。呼気1リットルあたり0.90ミリグラムのアルコールが検出され、基準値(0.25ミリグラム)のほぼ4倍だった。 その際、モウリーニョ監督は「マドリーの選手は1日24時間、週7日、1年12か月、マドリーの選手だ。仕事の外で行うこともすべてマドリーであり、揺るぎないクラブの名声を傷つける。私は満足していない。過ちは誰でも犯すが、過ちの積み重ねは別の話だ」と苦言を呈していた。
スペイン紙『El País』で、作家・ジャーナリストのマヌエル・ハボイス氏が、コラム「Siempre Robando」でクリスティアーノ・ロナウドとラミン・ヤマルの「自分こそ最高」という発言を比べた。同じような言葉でも、受け止められ方がこれほど違うのはなぜなのかを考察している。 ✅ 23歳のC・ロナウド「バロンドールは自分がふさわしい」 C・ロナウドは23歳のとき、「正直に言えば」バロンドールは自分がふさわしい、「自分が最高で、最も安定していた」と語り、世界中で話題になった。 当時のマンチェスター・ユナイテッドでのシーズンは、49試合42ゴール、プレミアリーグとCLの2冠、両大会の得点王、欧州ゴールデンシューという異次元のものだった。 それでもこの主張は反感を買った。究極の団体競技で、最高の個人タイトルを自ら求めることには、どうしても抵抗感がつきまとうからだ、と同氏は書く。 ✅ 数々の名言 同氏は、C・ロナウドのその後の発言も振り返る。2013年、すでにマドリーに在籍していたC・ロナウドは、「毎年受賞に値する」と半分冗談で語った。同氏いわく、マドリーはどんな野心も控えめに見えるクラブだ。 2017年の受賞時には「自分より上の選手は見当たらない」と語り、同じ年に「良い時も悪い時も、自分が史上最高の選手だ」とも言った。 同氏は冗談交じりに、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで2004年に展示された、ベッカムが107分間眠り続ける映像作品(サム・テイラー=ウッド作)を引き合いに出し、「107分間寝ている姿を見てくれと頼む方が、バロンドールを500個求めるよりエゴが強い」と書いている。 ✅ お気に入りは「金持ちでイケメンで偉大な選手だから」 同氏が一番気に入っているのは、2011年にザグレブでの代表戦でブーイングを浴びたときの言葉だという。 「みんなが僕を妬んでいるのは、僕が金持ちでイケメンで偉大な選手だからだと思う」 同氏は「非の打ちどころのない発言だ。当時もずいぶん擁護したが、15年たった今、もっと擁護すべきだったと後悔している」と書き、自身もブログで批判を浴びていた当時の経験を冗談交じりに振り返っている。 ✅ ラミンは愛され、C・ロナウドは愛されなかった しかしC・ロナウドは、少なくともスペインでは、ラミン・ヤマルが得たような愛情や理解、魅了を得られなかった、と同氏は言う。 ラミンは、自分はエムバペと並ぶ世界最高の選手で、W杯を制した今年はバロンドールにふさわしいと語っている。 C・ロナウドほど断定的ではないが、より早くからそう言っている。マドリーとバルサの違い(どのユニフォームを着て言うかで受け止め方は変わる)もあるが、同氏はそれ以上に「時代」の違いを感じるという。若い世代の文化、見せ方のコントロール、想像上の王冠をかぶり、ナンバーワンを主張する、C・ロナウド的な「俺はここにいる」という姿勢だ。 ✅ 「しかも、彼は正しい」 同氏は、そうした姿勢がとても好きだと書く。自分たちの世代の教育では、これほど堂々と自分を主張するには、乗り越えがたい恥じらいを打ち破る必要があった。 「敬意を持ち、誰も傷つけず、何百万人もの人とお金を動かすスポーツをしながら、ラミンが思ったことを口にし、いつも退屈なサッカー選手の決まり文句という狭い道から外れて、自分自身とサッカーについてこれほど率直に正直に語る。それは美しいことではないだろうか」 そして最後にこう付け加えている。「しかも、小さくない問題として、彼は正しい」 ※本記事は、El PaísのManuel Jabois氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
スペイン紙『El País』で、ジャーナリストのナタリア・フンケラ氏が、コラム「Relatos de una amateur」でダービー後のマドリーを論じた。同氏は、審判批判を繰り返すマドリーを「オオカミ少年」にたとえ、クラブが抱えるのは判定ミスよりも深刻な問題だと指摘している。 ✅ 試合後の会見でわかる「2種類のチーム」 同氏は、試合後の記者会見を聞けば、試合を見ていなくてもその内容がかなり正確にわかると書く。 試合後、自分たちが何をしたか、何がうまくいかなかったか、何を改善すべきかを語るチームや監督がいる。中には「僕らの方が悪かった」とはっきり言う人もいる。サッカーに偽りの謙遜は存在せず、悔しさは隠しにくいので、彼らは誠実に見える。 一方で、最初に言い訳の一言を添えたあとは、いつも自分たちより相手の話をするチームもある。ファウルで痛めつけられた、ゴール前に引きこもられた、3回のシュートで3点取られた運が良かった……。試合は常に三人称で語られる。審判か、相手チームか。「負けたのは私たちではありません、裁判長。彼らのせいです」というわけだ。 ✅ 「本当にオオカミが来たときに誰も信じない」 同氏は、「被害の物語」を繰り返すうちに評判ができあがり、試合後の分析をすべて疑われるようになると警告する。 「だがいつか本当にオオカミがやって来て、誰も羊飼いの少年を信じなくなる」 そのうえで、ダービーでは退場に値するタックルが2つあったというモウリーニョ監督の主張は正しかったと認める。特にバルベルデへのタックルは、クラブの医師によれば捻挫を負わせるほどのものだった。 ✅ VARは約束した正義をもたらしていない 同氏は、VARが約束していた正義をもたらしていないことも認める。 テクノロジーは前髪のわずかなはみ出しによるオフサイドでゴールを取り消せるようになった。しかし、止まった映像を解釈する人間の目は、時にゴール以上に決定的なレッドカードの判定で、今もあまりに頻繁に誤っている。そして、どの職業でもそうであるように、審判にも優秀な人、そうでない人、そして雰囲気やプレッシャーにのまれる臆病な人がいる、と書く。 ✅ 会見からは試合の実像が見えなかった しかし、ダービー後のモウリーニョ監督の会見は、試合がどうだったかを知る役には立たなかった、と同氏は言う。 抗議した2つの場面はいずれも0-0の時間帯に起きたもので、マドリーは過去から問題を引きずっている。 2年で4人目の監督は、昨季同じスタジアムで5失点した中盤と前線でメトロポリターノに乗り込んだ。チームは今もモドリッチとクロースの不在を嘆いている。「ロドリを最も必要としていたのはバルサではなかった」と同氏は書く。 ✅ ハイセンのPKとエムバペの沈黙 そこに新たな傷が2つ加わった。1つは、これほど厳しい試合にふさわしくない、未熟なPKの献上。これで51分にハイセンが退場になった。 もう1つは、バロンドール候補のエムバペの存在感のなさだ。チームメイトの助けも得られず、何度もマドリーに勝ち点3をもたらしてきた個人技のアイデアも出なかった。エムバペは試合を通じて枠内シュートを1本も打てなかった。 ✅ 「前政権のせい」を繰り返す政治のように 同氏は、「被害の物語」は情状酌量の材料にはなっても、免罪にも解決策にもならないと言う。 そして政治にたとえる。権力を持ち、決断する力と義務を持つ者が、任期中ずっと「前政権から受け継いだ負の遺産」を語り続けて解決策のなさを他人のせいにしたり、自分が何をするかより対立相手のことばかり話したりするべきではない。それでは人々の期待を集められない、と。 ✅ ことわざが示す教訓 同氏は、スペインのことわざを引いて締めくくる。他人の目のちりばかり見て自分の目の梁に気づかない限り、マドリーは口先だけに力を使い果たし、「吠える犬は噛まない」状態になる。牛は角をつかんで押さえなければならない。 そして最後にこう添えている。「すべての先生が自分の子どもを目の敵にしていると親が信じ込むことが、子どものためになったためしはない」 ※本記事は、El PaísのNatalia Junquera氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
スペイン紙『El País』で、元マドリーの選手でありGMも務めたホルヘ・バルダーノ氏が、コラム「El Juego Infinito」でモウリーニョ監督の現在地を論じた。同氏は、マドリー第2次政権でのモウリーニョ監督の最大の敵はバルサではなく「時間」だと指摘している。 ✅ 「モウリーニョ主義」の預言者 同氏はまず、「モウリーニョ主義には預言者がいる。ジョゼ・モウリーニョだ」と書き出す。 そして預言者には、信者から「自分たちが作り上げたイメージどおりであれ」と求められるという厄介さがあると指摘する。 ✅ フリックは「敵役」にならない 舞台も変わった、と同氏は言う。バルサのハンジ・フリック監督は、対立を芝居に仕立てる相手としては物足りない。リングに上がる姿が想像しにくいからだ。 毎月のように「今月の敵」になり得たグアルディオラとは違う。対戦相手がいなければ、モウリーニョ監督は、しかも別の時代の芝居を一人で演じることになりかねないという。 ✅ 穏やかに戻ってきたが…… 迫害されていると感じているマドリーにとって、ここ40年で最も人をかき立てるリーダーであるモウリーニョ監督は好都合な存在だ、と同氏は認める。 モウリーニョ監督はチームを率いるだけでなく、ムードを操り、ロッカールームを守り、敵を作り出し、記者会見を試合の延長戦に変えてきた。 今回はより穏やかに、世界と和解したかのように戻ってきた。アセンシオを教育し、ヴィニシウスをなだめ、かつて侮辱したペジェグリーニに謝罪する。長年他人を変えようとしてきた男が、自分自身を変えようとしているように見えた。 ✅ 審判は「イカ墨」 しかし、「モウリーニョ主義」は穏やかなモウリーニョを受け入れはしても、愛しているのは要求が厳しく好戦的なモウリーニョだ。怠け者を働かせ、審判を見逃さず、クラブの代弁者になることを求める。 最初の本格的な逆境で、再び審判の話が持ち出され、聞き覚えのある音楽が流れた。「あまりにも聞き覚えがある」と同氏は書く。 「審判はいつもイカ墨だ。本当に見るべきものから目をそらさせる」。実際には、マドリーはボールがないときのプレスが足りず、ボールを持てば組み立てに苦労している、と指摘する。 ✅ 変わったのはサッカーそのもの 同氏が最も興味深いとするのは、すべてが変わったことだ。 選手は代理人、広報アドバイザー、個人ブランド、そして誰の許可もなく語りかけられる数百万人のフォロワーを持ち、以前より力を持っている。記者会見はもう物語を独占していない。「モウリーニョは、監督が会話の主導権を握っていた時代の名人だった。今、会話はあらゆる場所で起きている」 ピッチの上でも、チームはよりコンパクトに動き、多くの人数で攻守を行い、考える時間を与えない。才能が勝負を決めることに変わりはないが、組織的な助けにますます依存している。一部の局面にしか関わらない選手にも、1つの考えに固執する監督にも、寛容ではないサッカーになったという。 今回も並外れたスカッドを手にしたが、以前よりバランスが悪いとも指摘している。 ✅ ペレス会長の見方 ここ10年でモウリーニョ監督が獲得した主要タイトルは、マンチェスター・ユナイテッドでのヨーロッパリーグと、ローマでのカンファレンスリーグ。勝つために生まれた男としては控えめな成績だ。 しかしフロレンティーノ・ペレス会長にとっては、モウリーニョ監督は「間接的にも勝つ」存在だという。ジダンとアンチェロッティのもとでのCL制覇は、モウリーニョ監督が植え付けた精神的な推進力によるものだと考えているからだ。 検証のしようがないので反対の意見と同じ重みしかないが、この起用を理解する助けにはなる、と同氏は書く。 ✅ 本当の挑戦 「モウリーニョは、まだ戦うエネルギーがあることを証明する必要はない。それは誰もが知っている。本当の挑戦は、もはや同じではないサッカーで勝てることを証明することだ」と、同氏はコラムを締めくくっている。 ※本記事は、El PaísのJorge Valdano氏のコラム(意見記事)の内容を紹介したものです。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えた、ラ・リーガ会長ハビエル・テバスとマドリーの全面対立の経緯。マドリード・ダービーの審判批判をめぐり、両者の応酬が激化しています。 テバスはSNSに投稿し、「審判がマドリーに不利な方向で動いていると主張するのは、別の銀河に住んでいるようなものだ」と痛烈に反論しました。さらに「そのような主張は、シーズン序盤の試合で誰の目にも明らかな他の問題点を隠すための言い訳に使われている。陰謀論を持ち出すほうが、ピッチで何が起きているかを説明するより楽なのだろう」と続け、「目隠しを外せ。まだ9月だというのに、もうリーグが歪められたと言っている」と締めくくりました。 これに対しマドリーは公式声明で反論。テバスがクラブに「執着している」と非難したうえで、「ラ・リーガ会長が自らの機関としての立場を利用してマドリーを批判・攻撃し続けることは許容できない」と述べました。 さらに声明は踏み込んだ要求へと発展します。「スペインのプロサッカー界には、競技会を適切に運営し、そのポテンシャルを最大限に引き出せる、中立性という基本的な責務を果たせるリーダーが緊急に必要だ」「ラ・リーガ会長は競技会のオーナーではなく、加盟クラブに仕える管理者に過ぎない。私たちクラブは、この使命に誠実に応えてくれる人物を必要としている」と、テバスの事実上の退任を求めました。 今回の対立の発端となったダービー後には、モウリーニョ監督が🇰🇷イ・ガンインと🇦🇷クリスティアン・ロメロが退場になるべきだったと審判を批判。マドリーも試合報告に「最悪の審判がダービーを決めた」と見出しをつけました。 アトレティコ・マドリードは「審判へのハラスメントをやめろ」というテキストが表示されたプリンターの動画で皮肉たっぷりに応酬。ディエゴ・シメオネ監督は「モウリーニョであれシメオネであれ、敬意を失ってはならない」と語りました。
スペイン紙『El País』が伝えた。 エルチェ対マドリーの試合前、ヴィニシウス、エムバペ、イブラヒマ・コナテの3選手がセウタ支援メッセージの入ったTシャツを折り畳んだ状態で掲げ、すぐに脱いだ場面が大きな議論を呼んでいる。 同紙はこの「私たちはみなセウタの住民だ」キャンペーンの背景と経緯を詳しく報じた。 ✅「私たちはみなセウタの住民だ」とは何か セウタはスペインの自治都市で、「セウタの住民」とは地元住民を指す親しみある呼び名だ。 このキャンペーンは、2026年7月30日から始まったモロッコとの国境タラハルを通じた大規模な越境危機を受け、セウタへの連帯を示す目的で生まれた。 数万人規模の人々が越境し、セウタでは政治・経済・社会的に深刻な混乱が生じた。 発起人たちは「セウタは孤独ではない」という言葉のもと、団結と支援のメッセージを届けることを目的としている。 ✅キャンペーンの主導者は誰か このキャンペーンは9月11日にバレンシア州企業家協会が立ち上げた。 協会を率いるのは、ボルダ海事グループ会長であり2011年から協会長を務めるビセンテ・ボルダだ。 ビセンテ・ボルダはサッカー界とも縁が深く、2009年1月から5月にかけてマドリーの暫定会長を務めた経歴を持つ。 その後、フロレンティーノ・ペレスに対抗して会長選出馬を検討したこともある人物だ。 ✅どのクラブが参加したか 最初に参加を表明したのはビジャレアルで、続いてベティスが賛同を発表した。 ベティスはさらにセウタのクラブとの慈善試合を企画し、収益をカリタス・セウタに寄付すると発表した。 その後、エルチェとマドリーも加わり、多くの選手が試合前にキャンペーンのTシャツを着て登場した。 ✅ヴィニシウス、エムバペ、コナテはなぜ拒否したか 3選手はTシャツを折り畳んだまま持参し、ピッチに出た直後に脱いでしまった。 3選手本人は理由を公式に説明していないが、同紙がクラブ内部の情報として伝えたところによれば、クラブはこれを個人的な判断として受け止めているという。 マドリーの関係者はこの反応を「個人的な感情的背景によるもの」と説明しており、キャンペーンを歓迎したクラブとしての立場とは必ずしも一致しないと述べた。 ✅FWエズ・アブデへの批判 この問題はマドリー戦に先立ち、ビジャレアル対ベティス戦でも表面化していた。 モロッコ代表でもあるFWエズ・アブデは、他の選手とともにTシャツを着て参加した。 その画像が広まると、モロッコ系ユーザーを中心に激しい批判と侮辱がSNS上に殺到した。 「裏切り者」との非難や代表からの除外要求、さらには個人への脅迫まで相次いだと同紙は報じている。
スペイン紙『El País』J・M・ベニテス記者が伝えた。 マドリーはラ・リーガ第6節でエルチェに2-3で勝利した。 立ち上がりは拮抗した展開の中、今夜ベリンガムに代えてスタメン起用された🇹🇷トルコ人のギュレルがフリーキックを直接放った。ボールはポストを叩いてGKディトゥーロの手に当たり、そのままネットへ吸い込まれた。先制のオウンゴールを誘発したギュレルは今夜も存在感を発揮した。その8分後にはディオマンデがペナルティースポット手前へ横パスを通し、エムバペがGKとの一対一を迷いなく制して2点目を奪った。 後半に入るとマドリーはリードを守る展開へと移行し、試合の主導権をエルチェへ渡してしまった。粘るエルチェはFWセペダのクロスに相手FWオソリオがヘッドで合わせて1-2に。さらに12分後、FWフェル・ニーニョがクルトワのゴールをポスト際へ流し込んで2-2と追いつかれた。 苦境に立たされたモウリーニョ監督が再びカードを切ったのが🇪🇸スペイン人のカルロス・エスピ。開幕節のエスパニョール戦に続き今季2度目となるアディショナルタイムでの決勝ゴールを叩き込み、土壇場でマドリーを救ってみせた。
スペイン紙『El País』でマドリーの番記者を務めるダビド・アルバレスが伝えた。 マドリーで4シーズン目を迎える21歳のアルダ・ギュレルは、周囲の選手をゴールチャンスに導きながらも、いまだ自分の居場所を探し続けている。欧州5大リーグ開幕5節における1試合あたりのキーパス数は8.3本と他を圧倒している。【Hudl Statsbomb】統計によると、2位はローマのウェスリーの4.6本。マンチェスター・シティのラヤン・シェルキが3.9本、バイエルンのオリーセが3.5本、アーセナルのウーデゴールが3.4本、バルサのラミン・ヤマルが3.3本と続く。 5試合でスタメン3回を果たしたが、90分を戦い切った試合はゼロ。CLの初戦はUEFAの処分による出場停止だった。 クラブがギュレルに描いていた絵はモドリッチの後継者として中盤の核に入ること。右サイドではなく。だからこそ2025年夏に右ウイングのフランコ・マスタントゥオーノが加入した際も陣営は動じなかった。今夏にはクラブが2029年に切れる予定だった契約を2032年まで延長し、長期的ビジョンへの信頼を示した。 モウリーニョ監督も前任のシャビ・アロンソ監督も、ギュレルがいずれはピボーテの脇でプレーするようになると見ている。しかし現時点ではチュアメニの隣に入る準備は整っていないとの見解で一致している。「今ではないが、そう遠くない将来にあのポジションでプレーできるようになる」とモウリーニョ監督は語った。中盤の心臓部はベリンガムの聖域であるため、ギュレルにはまず右サイドでの成熟が求められている。 シャビ・アロンソ前監督もプレッシャーをかけながらギュレルの成長を促した。「前進があるように投資する時期だ。彼を鍛え、成熟させるために押し込んでいる。エラーも受け入れる。重要な選手になるためには必要なことだ」とCWC中に語り、リーグ開幕後も「ここに来てから、ギュレルは前進し続けている。質だけでなく、ポジションの理解、安定感、ボールコントロールとつなぎの面でも」と続けた。 土曜のベルナベウでのラージョ戦では71分から途中出場し存在感を示した。フリーキックをダンフリースの頭に合わせ、コーナーキックからはリュディガーのヘッドにつなげた。20分間で2本のスルーパスを通し、うち1本からエムバペが4点目を奪った。 試合後のモウリーニョ監督の評価は高かった。「ギュレルは非常に優秀だ。質が高く、チームのプレーに好影響を与えている。途中出場してゲームの安定感に違いをもたらした」。翌日もさらに言葉を重ねた。「彼のプレーの質は信じられないほどだ。視野、判断、ゲームの組み立て、安定感、創造性…ポテンシャルは素晴らしく、すでに非常に興味深い数字を残している。トップ・トップ・トップとまでは言わないが、確実にトップ・トップだ。もうそこまで来ている」。
スペイン紙『El País』の人気コラムニスト、ラファ・カベレイラ記者のコラム。 エムバペに守備をさせようとした試みは数多くある。かつてルイス・エンリケ前フランス代表監督がマイケル・ジョーダンを引き合いに出して発破をかけた動画が広まっている。「マイケル・ジョーダンが好きだと読んだ」「ジョーダンはチームメートをどつきまわして、死ぬ気で守備をした」。良い話だ。言葉は荒いが、良い話だ。なぜ機能しなかったのか。おそらくSNSで拡散した指摘が本質を突いている。エムバペはある程度の注意を払って聞きながら、こう思っていただろう。「ジョーダンが好きなのはダンクして舌を出してるときだ。守備してるジョーダンには興味ない」 エムバペが守備を好まないことは以前から疑われていた。弟のエタンも最後のW杯前のインタビューで冗談めかして尋ねた。「キキ、いつかディフェンスやプレスするつもりある?」。キキと呼ばれる彼は笑い飛ばしながら答えた。「常に要求高くいたい。次のステップを踏まなければならない。このW杯から始まる、優勝したい」。フランスはW杯を制せなかった。エムバペも守備のステップを踏まなかった。しかし歴史を作った、と彼自身が今週の会見で改めて語った。 見ていると、マドリーのエムバペは月曜の朝のように守り、金曜の夜のように攻める印象を受ける。それが彼のサッカー観であり、彼を世界最高の選手にした理由でもある。相手ディフェンスにパニックを与える能力も、ゴールという最も価値あるものを見つける嗅覚も疑う余地はない。シーズン50ゴールを決められる選手にとって、後ろに走ることは義務というより推奨事項に近くなる。他の誰にもできないことができる選手に、他の部分での努力を求められるのか。これが特権と均衡の間の繊細な境界線であり、天才を擁するチームが常に向き合う問いだ。 守備をしないエムバペへの解決策として「別の選手になるよう説得する」という非現実的な提案が分析にあふれている。どんなに良い話をしたところで、戦術的な厳格さへの遅い目覚めを促せるとは思えない。だからこそ指導者が取り組むべき本当の課題は別にある。最高の選手を擁するときの代償を理解した上で、チームが代わりに払う請求書が大きくなりすぎない範囲でどこまで妥協できるかを見極めること。個人の特権には限界があり、サッカーはチームスポーツであり、個人賞では栄光への渇きは癒せない。 ルイス・エンリケはマイケル・ジョーダンを使って説得を試みた。エムバペの返答は穏やかだったと思う。ダンクして舌を出すのが俺だ、守備は他の人間に任せる。
スペイン紙『El País』が伝えた。 4シーズン前まで3部リーグで戦っていたプレミアリーグの昇格クラブ、イプスウィッチ・タウンが今夏の移籍市場で費やした金額は2億ユーロ超。リーガのクラブ17チーム(マドリー・バルセロナ・アトレティコを除く全クラブ)の合計と変わらない規模だ。この一例が、サッカー産業のお金がどこにあるかを如実に示している。火曜深夜に閉幕した今夏の移籍市場でも、その構図は変わらなかった。英仏海峡の向こう側の購買力は圧倒的で、スペインで3桁台の移籍金を動かせるのはビッグ3だけという現実はもはや変わらない。 ✅ リーグ別投資額(Transfermarkt調べ) プレミアリーグが今夏費やした約39億ユーロはセリエAの3倍以上、リーガとブンデスリーガの5倍にあたる。6位にはチャンピオンシップ(イングランド2部)の4億3500万ユーロが入り、スペインとドイツの1部リーグより少ないが僅差だ。 ✅ 投資額上位10クラブ 上位10クラブのうち8クラブがイングランド勢で、スペインからはマドリー(8位、2億2500万ユーロ)とバルセロナ(10位、1億8400万ユーロ)のみ。スペイン勢として最上位のマドリーより上に並ぶのは、シティ(5億2600万ユーロ)、チェルシー(4億700万ユーロ)、トッテナム(3億5500万ユーロ)、ニューカッスルとアストン・ヴィラ(いずれも3億ユーロ超)、リヴァプール(2億6500万ユーロ)、アーセナル(約2億2700万ユーロ)だ。 なお、チェルシーとトッテナムは今シーズン欧州の大会への出場権を持っていない。それでも大型補強を断行した。シャビ・アロンソ監督率いるチェルシーはMFモーガン・ロジャーズ(1億3800万ユーロ)を獲得。トッテナムは前シーズン17位という苦境から再出発すべく、サンドロ・トナーリ(1億800万ユーロ)、マテウス・フェルナンデス(9900万ユーロ)、サヴィーニョ(8700万ユーロ)を補強した。 ✅ 最高額移籍と各国の差 今夏の最高額移籍はすべてイングランド絡みだ。エンソ・フェルナンデス(シティ、1億4500万ユーロ)、モーガン・ロジャーズ(チェルシー、1億3800万ユーロ)、エリオット・アンダーソン(シティ、1億3500万ユーロ)、ブラッドリー・バルコラ(リヴァプール、1億2500万ユーロ)。スペインでこの水準に達したのはマドリーのヤン・ディオマンデ(1億2500万ユーロ、ボーナス込みで最大1億4500万ユーロ)のみで、リーガで唯一の3桁台移籍となった。バルセロナのアンソニー・ゴードン(8000万ユーロ)とロドリ(6000万+1500万ユーロ)、マドリーのマルク・ククレジャ(5500万ユーロ)がそれに続く。 ✅ コロナ禍が生んだ「2019年以前」との断絶 リーガとプレミアの差は今に始まったことではないが、コロナ禍が決定的な分岐点を作った。コロナ前最後の夏(2019-20シーズン開幕前)、リーガの投資額は14億ユーロでプレミアの15億5000万ユーロとほぼ拮抗していた。それがいまや5倍の差だ。プレミアは感染症の経済的打撃をものともせず投資額を倍増以上に伸ばした一方、リーガは半減。ブンデスリーガは2019年水準に戻り、セリエAは13億から11億と小幅な減少にとどまり、リーグ・アンも大きくは落ちていない。5大リーグの中でリーガの下落幅が突出して大きい。 マドリー・バルサ・アトレティコの3クラブがリーガ全体の移籍支出の4分の3を占めており、4番目に多く投資したベティス(CLに出場)でさえ約3050万ユーロ。プレミア最下位に近いクリスタル・パレス(6000万ユーロ超)の半分にも届かない。イングランド2部の3クラブ(ミドルズブラ、ウェスト・ハム、バーンリー)でも4000万ユーロを超えており、CLに参加するビジャレアルはリーガ5番目の投資規模ながら2000万ユーロにも届かない水準だ。
スペイン紙『El País』が伝えた。 今シーズン初のバルセロナ対レアル・マドリーは、10月25日(日)にカンプ・ノウで行われる。キックオフは現地時間21時(日本時間10月26日午前5時)。リーガ第10節に組まれたこの一戦は、モウリーニョが13年ぶりにクラシコのベンチに立つことでも注目を集める。前回は2013年にマドリーでの第1次政権が終了した時が最後だった。 ✅ フリック体制以降のバルサ優勢 ハンジ・フリックがバルセロナに就任して以降、クラシコでのバルサの成績は3勝1敗と優勢だ。昨シーズンは第35節のクラシコでバルサが勝利し、リーガ連覇を決定づけた。同時にそれはマドリーにとって2年連続でタイトルなしに終わることを意味した。モウリーニョが最初に跳ね返すべき壁の一つが、この流れだ。 ✅ CL日程との関係 クラシコの直前にはCLが控えている。バルセロナは10月20日にPSGと、マドリーは10月21日にRBライプツィヒとそれぞれ対戦する。中3〜4日でクラシコを迎える両チームの状態も、試合の行方を左右しそうだ。リーガではともに3戦全勝の完璧なスタートを切っており、首位争いを早くも象徴する一戦となる。 折り返しの第36節(5月9日か10日)のホームゲームと合わせ、今シーズンのクラシコは2試合。まずは10月25日の深夜が、新たな時代の幕開けとなる。
スペイン紙『El País』が伝えた。 ベリンガムには2人のベリンガムがいる。 一人目は、頭の中で複数のコンパスを持ちながらピッチを動き回り、完璧な方向感覚でゲームの地図を読み、ピッチのホットゾーンを把握し、自分の存在が必要な場所を瞬時に計算するベリンガムだ。このベリンガムは相手にとって特に厄介で、イングランド人が何を考えているのかわからず、先を読めず、なぜ彼が常に必要な場所に現れるのかを見抜けない──壁を叩き続けることでスペースをこじ開けているのに、誰もそれを見ていないし聞こえてもいない。このベリンガムはスタンドではあまり目立たない。頭の中のエンジンルームを全力で動かしているが、それは外からは見えない。彼の真の働きは内面的で、一見すると地味だ。 もう一人のベリンガムは、より可視的で、純粋に肉体的なベリンガムだ。プレーの生産性は身体にある。パワフルで破壊的で、大きなドリブルをしなくても相手を振り払う。前に進みながら体を使ってスペースと時間を稼ぐだけで十分なことがある。この二人目のベリンガムは一人目のベリンガムの恩恵を受けられる──一人目が爆発のためにピッチを整えているのだから。しかしそれがなくても構わない。マラガ戦の1点目のように、頭を上げて大型動物の足取りで力強くゴールエリアへ突っ込むだけで十分だ。これだけ異なる能力を持つ選手は、監督でさえ分類に苦労する──飛び込む選手、パサー、ヘッダー、シューター。 つまりベリンガムは自分次第の選手だ──気分が向けば何でもできる。今季は、ロンドンでチャンピオンズリーグを制した初年度と同じように、「自分らしく」いるように見える。 「自分らしくいること」は人生において大切だ。翌日何が来ても前向きに受け入れようと、来なかったものは楽観的に探しに行こうと、前もって決意して目を覚ますことだ。その後、日が傾き始めるかもしれない──机の角に膝をぶつけ、シャワーで足首を捻り、コーヒーで火傷し、歴史的な渋滞にハマりながら恋人に電話で別れを告げられ、最悪の結末を迎えることだってある。でも気にすることはない、また別の日にうまくいく。刑期を終えて、いい気分で前を向く。出たら机の角にはもっと気をつける──それが「自分らしくいること」だ。 ベリンガムはマドリーでの直近2シーズン、自分らしくなかった。その逆だった。肉体的な問題、あの壊れた肩が影響したのかもしれない。一人目のベリンガム──より目立たない彼──がピッチで評価されにくかったのかもしれない。あるいは単純に愛を求めていたのかもしれない──オフザボールの動きが無視される理由や、ボールがスタンドに飛んでいく理由は、誰にもわからない。人生は謎だ。私たちは多くのことに依存して生きている。しかしベリンガムが機能するために必要なそれらすべてのことが、今は揃っているようだ。モウリーニョのマドリーは彼にしがみつき、彼に感染した──身体的な圧力、飛び込み、雪崩のような攻撃。モウのチームが機能する時、それは硬く締まった組織力で相手を圧倒し、容赦なく押しつぶす。
スペイン紙『El País』が伝えた。 モウリーニョがスペインを離れた13年間に、多くのことが起きた。その痛ましい主役の一人がヴィニシウス・ジュニオールだった。バレンシアのサポーター3人が、ブラジル人選手に対して人種差別的な動機による精神的完全性への罪で有罪判決を受けた。それぞれ8か月の禁固刑。「選手の黒い肌に対する明らかな蔑みをもって」発せられた「叫び声、ジェスチャー、チャント」によるものだ。あの夕方、彼を侮辱したのはその3人だけではない。ヴィニシウスがレアル・マドリードの選手だからではなく、黒人だからという理由で傷つけられたのは、あの試合だけでも、あのスタジアムだけでもなかった。1年余り前にも、フレンテ・アトレティコのメンバー4人が、橋にヴィニシウスのユニフォームを着たマネキンを吊るしたとして14〜22か月の禁固刑を受けている。 モウリーニョ監督は第2次政権において、ベルナベウを離れたたった1試合で、ヴィニシウスにリーガのピッチ上で何かが起きていることを察知した。監督本人もリスボンで、マドリーの選手からプレスティアーニへの抗議を受け審判のフランソワ・ルテクシエが反人種差別プロトコルを発動した場に居合わせていた。名探偵シャーロック・ホームズを持ち出すまでもない状況だが、マドリーの新監督はここで新たなアプローチを選んだ。問題の再解釈だ。対戦相手や敵地サポーターから受けている「いじめ」という枠組みである。手は悪くない──特に、これまでヴィニシウスが受けてきた人種差別の経緯と、すでに有罪判決が下されたエピソードを括弧の外に置くならば。 モウリーニョ監督の訴えは、この問題に新たな側面と新たな登場人物をもたらす。スペインの多くのメディアが人種差別の議論に居心地の悪さを感じていた。経験不足か、あるいはさまざまな局面でそれに近い立場を取ってきたためだ。「いじめ」という言葉ならリスクがない。間違った人の神経を逆撫でせず、違いを持つ者への嫌悪を抱く視聴者を失望させることもない。そして絶大なメリットがある──責任の分散が可能になるのだ。 ヴィニシウスがいじめを受けているとすれば、いじめる者がいる。しかし同時に、彼の何かがその反応を引き起こしているとも言える。単に彼の性格かもしれない。あるいはそのジェスチャー、ダンス、抗議、ゴールの喜び方かもしれない。こうして私たちは、はるかに馴染み深く居心地のいい領域に戻る。そこでは侮辱のたびに正当化が見つかり、被害者には「彼にも一因がある」と言える。人種差別ではそうはいかない。ヴィニシウスが観客や対戦相手を挑発しているかどうかは議論の余地があるが、何の挑発が「サル」と呼ぶことを正当化するのかを説明するのは、もう少し難しい。 だからこそモウリーニョ監督が選んだ言葉は、より広い共感を呼ぶのかもしれない。何が起きているかを否定するのではなく、ただ名前を変える。それによって、長年ブラジル人選手をめぐる各エピソードを「また新たな審判の機会」として眺めてきた人々が、過去の言動を見直すことなく今度は告発側に回ることができる。 やがてモウリーニョ監督は、次の試合を通じて気づくかもしれない。問題は決してヴィニシウス・ジュニオールの振る舞いではなく、黒人であるという一点をもって彼の振る舞いを決める権利があると信じた者があまりにも多かったことだと。証拠も告発も不足していたわけではない。ただ今になってようやく全員が耳を傾ける気になった、別の診断が下されたというだけだ。
スペイン紙『El País』が伝えた。2年前、まだリヴァプールに在籍していたトレント・アレクサンダー=アーノルドは「バロンドールを獲得した最初のラテラルになり、フットボールを変えたレジェンドになりたい」と語っていた。しかし現実はその壮大な夢とはかけ離れている。今夏はワールドカップのメンバーからさえ外れた。マドリーでの1年目は方向性を見失い、負傷で21試合を離脱した。27歳のイングランド人は、現在再建途上にあるマドリーの守備陣の一員だ──その第二フェーズが、アンフィールドの元エースが加わった第一フェーズより実りあるものになるかどうか、注目が集まっている。 昨夏の3人の補強(ディーン・ハイセン、アルバロ・カレーラス、トレント)に続き、今夏もさらに3人(デンゼル・ダンフリース、イブラヒマ・コナテ、マルク・ククレジャ)が加わった。合計1億8750万ユーロを最終ラインに投じたことになる。カルロ・アンチェロッティ政権最後の2シーズン、クラブは深刻な負傷者続出にもかかわらず守備補強をほぼ行わなかった。エデル・ミリタオの両膝前十字靱帯、ダビド・アラバ、ダニ・カルバハルと計4度の重大な負傷を経験しながら、23-24・24-25シーズンの守備への投資はフラン・ガルシアの再獲得500万ユーロのみ。1年前、ようやく緊縮財政を終えて市場に戻ってきた。 しかし2025年の投資は大きな即効果をもたらさなかった。クラブ史上最高額のCBとなったハイセン(6250万ユーロ)は危機の局面では若さと拙さが目立った。左SBのカレーラス(5000万ユーロ)は昨季徐々に存在感を失い、今夏その同じポジションにククレジャ(5500万ユーロ)を連れてきた。1億1000万ユーロ以上を費やしながら、2人ともCL準々決勝ミュンヘン第2戦という最重要試合には出場できなかった。そのゲームに出場したのは本来の姿に近づきつつあったトレントだった。 今夏も右SB(ダンフリース、2000万ユーロ)、CB(コナテ、フリー移籍)、左SB(ククレジャ)と補強した。前年のパッケージと比べれば、最前線での経験はより豊富だ。 ✅守備陣が抱える課題 コンペティションが、信頼性への疑問符を抱えたこの守備陣の真価を問う。インテルで3バックのウィングバックを務めてきたダンフリースは2バック式への適応が必要だ。フランス代表でW杯4番手CBだったコナテは、安定感をもたらすことが期待される。最も実績あるCBであるアントニオ・リュディガー(33歳)は1年の契約延長を果たしたが、消耗した体のケアが欠かせない。この水曜日のレアル・ソシエダ戦に向けて起用可能なCBはコナテ、リュディガー、ハイセンの3人だ。 ✅長期離脱選手の状況 ミリタオ(28歳)は4月の手術(左大腿二頭筋)以来、復帰時期が依然不透明だ。クラブは当初「4〜5か月で復帰」と説明していたが、現時点ではチーム練習への復帰見通しさえ示していない。直近3シーズンで前十字靱帯を含む4度の重大な負傷を負っている。フェルラン・メンディ(31歳)も昨季4試合のみの出場に終わり、復帰時期は不明だ。ラウール・アセンシオはプレシーズン全休ながら、約2週間でチーム合流を見込んでいる。 長い守備の停滞期を経て、クラブは2年連続で戦力を積み上げようとしている。直近2度のCL優勝を支えた守備陣はほぼ解体されており(2022年:カルバハル、ミリタオ、アラバ、メンディ/2024年:カルバハル、リュディガー、ナチョ、メンディ)、モウリーニョはその再建を引き継いでいる。攻撃的なスカッドの性質上、穴を埋める機敏で洗練された守備陣が求められており、指揮官が守備全体の向上を求めているのは前任者たちと同じだ。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えた。2010年、マドリーはグアルディオラのバルサという「難攻不落の敵」を崩す任務を担ってモウリーニョを招聘した。今回の使命はやや異なる。外部の強敵への対抗ではなく、クラブ内部の問題──チームの競争力の著しい低下という構造的な危機への対処だ。 ✅ペレス会長との深い信頼関係 モウリーニョは金曜日の初会見で、ペレス会長が2013年の退任以降「タイトルを獲るたびに連絡をくれた」と明かした。これは単なる逸話ではなく、両者の間にある深い信頼の証明であり、関係者全員への明確なメッセージでもある。会長は常に、モウリーニョの第一次政権がその後のマドリー黄金時代──CLを6度制覇──の土台を作ったと評価している。 「今回は無冠で戻ってくる。私を知っており、何ができるかを知っているからこそ呼んでもらえた。それは表面的なものよりずっと深いものだ」とモウリーニョ自身もエル・チリンギートのインタビューで語っている。 ✅3シーズン連続無冠なら歴史的危機 マドリーはここ2シーズン、主要タイトルを獲得できていない。3シーズン連続でそうなれば、2003〜2006年以来の事態となる。当時はアルフレド・ディ・ステファノが1950年代半ばに加入して以降で最長の無冠期間となり、最終的に2006年2月にペレス会長自身が辞任に追い込まれた。それほどの重みを、今季は背負っている。 ✅43分間の初会見──「内部情報をすでに持っている」 マドリーはベンフィカにモウリーニョの違約金として1,500万ユーロを支払い、2029年までの契約を結んだ。エスパニョール戦を前にした初会見は43分間に及び、歴代の前任者たちが費やした時間の約4倍だった。まだ公式戦を戦っていないにもかかわらず、リラックスした様子で質問を一つも避けることなく答えた。 特に注目されたのは、チュアメニとフェデリコ・バルベルデの衝突事件に関する発言だ。「内部のことについては多くの情報を持って戻ってきた。3年間在籍し、信頼できるコネクションがある」と警戒感を示しつつ、「彼ら二人の間に普通の関係を見ている」と現状を語った。 ✅「11人全員で守る」──交渉の余地なき原則 モウリーニョが掲げる原則は明確だ。モウリーニョが「絶対に妥協しない」と明言したのは「11人全員で守ること」と「チームへのコミットメント」だ。この2点は、2014年以降のマドリーが競争力を失っていく過程で繰り返し指摘されてきた根本的な課題でもある。 三大スターの共存という難題にも正直に言及した。「最高の選手たちは最高の選手たちとプレーしたいが、戦術的な組み合わせは少し難しくなる。アンチェロッティはヴィニシウスに最適なブラジル代表を作った。デシャンはエムバペのためにフランス代表を最適化した。トゥヘルはベリンガムのためにイングランド代表を最適化した。モウリーニョが3人全員のために最適なマドリーを作るのはより難しい」──前任の3監督がいずれも解けなかったパズルへの率直な認識だ。 ✅最後のリーグ制覇は2015年 エスパニョール戦の欠場者はチュアメニ、エンドリッキ、ティアゴ・ピタルチ、アセンシオ、メンディ、ミリタオ、ロドリゴの7名。 モウリーニョが2013年にマドリーを離れた時点で、11年間で20のタイトルを手にしていた。しかし以降の13年で手にしたのは6タイトルのみ。最後のリーグ優勝は2015年のプレミアリーグ、チェルシー時代だ。直近では2022年にローマでコンファレンスリーグを制したが、昨シーズンはベンフィカでCL敗退に終わった。 ペレス会長の厚い信頼と第一次政権の記憶──それを背に、モウリーニョは今、泥沼にはまったプロジェクトを救い出す任務を背負ってバルデベバスに戻ってきた。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えた。ジョゼ・モウリーニョが13年ぶりにバルデベバスの記者会見室に戻ってきた。2013年、多くの緊張の末にその場を後にした同じ部屋に、63歳になり白髪が増えた姿で再び座った。最初の会見は43分に及び、リーガ開幕前の通常会見の約4倍という長さだった。土曜夜(日本時間・日曜4時30分)、コルネジャでエスパニョールとの開幕戦が待っている。 ✅「タイトルの都度、フロレンティーノから電話が来ていた」 「マドリーがタイトルを獲るたびに、ペレス会長から電話が来ていた」とモウリーニョは明かした。「でも私はいつも、自分には関係ないと答えていた。2010〜2013年にやった仕事が何かポジティブなものを残してくれたなら嬉しい。ただタイトルはここにいた人たちのもの──カルロ・アンチェロッティ、ジダン、選手たち、そしてクラブのすべての人たちのものだ」。フロレンティーノとの強い信頼関係はこの10年間、誰も否定しなかった。 ✅「即答でイエスと言った」 マドリーからの最初のコンタクトは、ベンフィカで残り2試合という時期だったと語った。「今の自分は2013年にここを離れた時よりも良い状態にある」と語り、より落ち着きを取り戻したという。「感情的になりにくくなったとよく言うが、それは試合中の退場とは関係ない。試合と試合の間に現実をどう消化するか、の話だ」。 ✅「3人全員が気持ちよくプレーできるマドリーを作りたい」 ヴィニシウス、エムバペ、ベリンガムの共存というアンチェロッティ、シャビ・アロンソ、アルベロアが解決できなかった課題についてはこう語った。「アンチェロッティはヴィニシウスのために完璧なブラジルを作った。デシャンはエムバペのために。トゥヘルはベリンガムのために。モウにとっては3人全員のために完璧なマドリーを作るのはより難しい。3人全員が気持ちよくプレーできるようにしたい。自然にやってくれることを無理やりやらせようとするのは心配だ。でも3つのポジションが相性が悪いとは思っていない」。 ✅「11人全員で守る」 攻撃陣の守備貢献については明確な立場を示した。「11人で守る」。その意味については丁寧に説明した。「自陣深くで苦しめられるなら全員で守る。ハイプレスをかけて相手が出てこなければ守備は不要、崩しにいくだけだ。状況次第だが、プレスをかける選手、スペースを消す選手はいる。ただ守らずにボールを待つだけの選手は困る。今のところ問題はゼロだ」。 ✅会見なしだったプレシーズンから一転、今季は100回以上 モウリーニョがメディアの前に立つのは、第二期スタートから1ヵ月以上ぶりのことだ。プレシーズン中はクラブの公式メディアにのみ対応し、一般記者への会見は行わなかった(ベンフィカ時代にも同様のケースがあった)。ただクラブ関係者によれば今後は試合前後の会見をすべて行う予定で、シーズン終了まで100回以上の会見が見込まれる。 「プレッシャーは感じていない。これまでの仕事と選手たちが見せてくれるメンタリティを信頼している」──そう語って会見を締めくくったモウリーニョは、チュアメニ、エンドリッキ、ティアゴ・ピタルチ、アセンシオ、フェルラン・メンディ、ミリタオ、ロドリゴを欠いた状態でバルセロナへと向かう。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えた。マドリーはこの夏、総額2億2500万ユーロで6選手を獲得した。しかし2年間の低迷を経た今夏の補強が「革命」かと問われれば、答えは否だ。 ✅史上最高額になりうるディオマンデ、異例の30歳ダンフリース ヤン・ディオマンデは固定費1億2500万ユーロ+変動費で最大1億4000万ユーロとなり、クラブ史上最高額の可能性を持つ。デンゼル・ダンフリースは2000万ユーロで加入したが、30歳という年齢はここ数年若手獲得に特化していたマドリーには異例の選択だ。 最も「異例」なのはベルナルド・シウバ(32歳)かもしれない。マンチェスター・シティとの契約満了という市場の好機を掴んだ形だが、直近15年で最年長の加入選手だ(2023年のホセル・マト33歳、2010年のリカルド・カルバーリョ32歳に次ぐ)。他の新加入はマルク・ククレジャ、イブラヒマ・コナテ、カルロス・エスピの3人。 ✅疑問は変わらない 2億2500万ユーロを使っても、開幕2週間前に漂う疑問は2年前と変わらない。 ヴィニシウスとエムバペはようやく連携できるのか。両者は守備にもっと貢献できるのか。2シーズン居場所を見つけられていないベリンガムは超攻撃的な編成の中で機能するのか。リーガで待ち受ける多くのブロック守備を崩せるのか。そして何より──アンチェロッティ、シャビ・アロンソ、アルベロアの誰もが得られなかった「全員のコミットメント」をモウリーニョは引き出せるのか。 ✅中盤の根本的な問題は未解決 ベルナルド・シウバの獲得はチームの最大の弱点──「中盤からゲームを作れない」問題──への唯一の対処だ。それ以外、クラブは攻撃陣の主要なピース(ヴィニシウス、エムバペ、ベリンガム)には手を入れず、守備的MFのプロフィールも変えなかった。ロドリ・エルナンデスも、他の誰も獲得しなかった。カマヴィンガ、チュアメニ、バルベルデ、ベリンガムという「フィジカル重視路線」は継続されている。チュアメニとバルベルデは昨シーズン更衣室の大きな危機を引き起こした当事者だ。 モウリーニョは公の場での初発言でこう述べた。「昨年は多くの人が失敗した。選手や監督だけじゃない。内部の人間も失敗した」。そしてこう続けた。「チームには勝ちたいという意欲が強くある。常識を受け入れられる状態だ。全員がもっとチームにならなければならない」。2年間の低迷の核心にあった「コミットメントの欠如」を指した言葉だ。 ✅ヴィニシウスの残留と記者会見なし ヴィニシウスの契約延長交渉は長らく膠着していた。残り1年契約に近づく中でアーセナルが強い関心を示したが、マドリーはヴィニシウスへの投資を貫き、合意に達した。なお今夏の新加入選手は一人も記者会見を行っていない──その理由についてクラブからの説明はない。 ✅大きな解決策の名前はモウリーニョ 守備の補強とディオマンデの獲得は目を引くが、チームを崖っぷちに追い込んだ根本的な問題への直接の答えにはなっていない。2年間で4人目の監督となるモウリーニョこそが、マドリーが今夏最も大きく賭けた「補強」だ。開幕戦は土曜夜、エスパニョールのホームでのアウェー戦(日本時間・日曜4時30分)。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えた。エムバペが戻り、マドリーのプレシーズン最高のパフォーマンスが花開いた。フェルティンス・アレーナでのシャルケ04戦、🇫🇷フランス人ストライカーは5分に先制点を奪い45分間で相手を翻弄した。エムバペの電撃的な推進力が攻撃の詰まりを一掃し、今季🇩🇪ドイツ・ブンデスリーガに3年ぶりに返り咲いたシャルケを手玉に取った。リーガ開幕エスパニョール戦を1週間後に控えた最終プレシーズンは3-0で締めくくられた。 ✅エムバペ、カリウスを仕留める 先制点は5分。ロン・シャレンベルクのバックパスをインターセプトしたエムバペが、カリウスを冷静に仕留めた。2018年CL決勝でリヴァプールのGKとして2失点(ベンゼマ、ベイル)を献上したカリウスにとって、エムバペは容易な相手ではない。前半はさらにニコラ・カティッチを軽々と抜き去るドリブルや惜しいシュートも見せ、脅威を与え続けた。19分にはギュレルのCKをハイセンがヘッドで押し込み2点目。コナテとハイセンのCBコンビ、ベルナルド・シウバとバルベルデのダブル・ピボーテ、ギュレルが10番役、ヴィニシウスとブラヒムが両翼という4-2-3-1でシャルケを圧倒した。 ✅後半はエスピが仕上げ ハーフタイムにエムバペ・クルトワ・コナテを交代させたモウリーニョ。後半56分、レバンテから獲得したカルロス・エスピがカレーラスの好クロスにヘッドで合わせ3点目を奪った。後半にはククレジャとディオマンデがマドリーとして初めてピッチに立ち、ベリンガムもモウリーニョ体制での初出場を飾った。対照的にヴィニシウスは1対1で精彩を欠き、エムバペが用意した決定機も外して低調な出来だったが、チーム全体としてはW杯組が全員揃った最高のプレシーズンフィナーレとなった。フィオレンティーナとの引き分け、フェレンツヴァーロシュとデポルティーボへの辛勝を経て、ついにマドリーらしい戦いが戻ってきた。
スペイン紙『El País』が伝えた。今夏のマドリーの補強支出は2億2500万ユーロ(ヤン・ディオマンデ1億2500万・マルク・ククレジャ5500万・カルロス・エスピ2500万・ダンフリース2000万、コナテとベルナルド・シウバは無償)。プレミアリーグ勢が約25億ユーロをかけて支出トップを争う中、マドリーは英国外のクラブとして唯一トップ6入りを果たした。そして驚くべきことに、この2億2500万ユーロの約90%にあたる1億9000万ユーロが、カンテラ出身12選手の売却収入で賄われている。 最大の売却益をもたらしたのはゴンサロ・ガルシア(フラムFC移籍、権利の70%で4000万ユーロ)とニコ・パス(コモ移籍、6600万ユーロ)の2人だ。22歳のゴンサロはクラブW杯2025で4ゴール1アシストを記録した万能FW。ニコ・パスは2024年8月から在籍したセスク・ファブレガス監督のコモへの売却で、カンテラ史上2位の移籍金となった(1位は2017年のモラタのチェルシー移籍・8000万ユーロ)。マドリーは来夏に8000万ユーロの買い戻しオプションを保持している。 中堅規模の売却も相次いだ。ビクトル・ムニョス(オサスナ→リバプール、権利50%で2000万ユーロ)、アルバロ・ロドリゲス(エルチェ→ボーンマス、1250万ユーロ)、マリオ・ヒラ(ラツィオ→ミラン、1400万ユーロ)、アレックス・ヒメネス(ミラン→ボーンマス、925万ユーロ)——いずれも保有する50%の権利分として収入を得た。また21歳のセサル・パラシオスはフラムFCへ権利70%で1000万ユーロで移籍している。アルメリアが2000万ユーロ以上での売却を目指すセルヒオ・アリバスも対象になりうる。 より小規模な売却としては、ビクトル・バルデペーニャス(フィオレンティーナ、800万ユーロ)、ハコボ・オルテガ(ストラスブール、1000万ユーロ)、フラン・ガルシア(ベティス、400万ユーロ)、マリオ・マルティン(ヘタフェ、350万ユーロ)、フラン・ゴンサレス(セビージャ、100万ユーロ)がある——いずれも50〜70%の権利相当分。ただしこうしたカンテラ選手の大量流出は、トップチームにおけるカンテラの存在感低下という皮肉な側面も持つ。5月のカルバハル引退後、ファーストチームに残るカンテラ出身者はカレーラス、ラウール・アセンシオ、ティアゴ・ピタルチのみで、いずれも今季の確固たる先発とは言い難い状況だ。
スペイン紙『El País』が伝えた。ラ・リーガ2026/27シーズンは2026年8月14〜16日の週末に開幕し、最終第38節は2027年5月30日に予定されている。プリメーラ・ディビシオン20クラブが38節にわたりタイトル、欧州出場権、残留を争う。なお、以下の日程はすべてスペイン現地時間。 今季最大の注目カードは例年通りクラシコだ。バルセロナ対レアル・マドリーの第1戦は2026年10月25日にカンプ・ノウ、第2戦は2027年5月9日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる。マドリー・ダービー(アトレティコ対マドリー)は第1戦が2026年9月20日、折り返しが2027年4月4日に組まれた。 セビージャ・ダービー(セビージャ対ベティス)は2026年11月22日と2027年2月7日。バスク・ダービー(アスレティック対レアル・ソシエダ)は2026年11月1日と2027年5月2日となっている。 バレンシア州のレバンテ対バレンシアは2027年1月3日と3月7日。同日にはエスパニョール対バルセロナも予定され、折り返しは4月18日。ガリシアではセルタ対デポルティーボが1部リーグで復活し、1月3日と4月18日に対戦する。
スペイン紙『El País』が伝えた、プレシーズン最後の試練の夜。 第81回テレサ・エレーラ杯——スペイン最古の夏季招待トーナメントで、マドリーはデポルティーボと対戦しました。リアソール競技場に集まった観衆の期待をよそに、試合は前半のほぼ全てを通じて眠気を誘うような展開となりました。 そのまま引き分けで終わるかと思われたアディショナルタイム、ブラヒム・ディアスが試合を動かします。ルニンが手で前方へ投げたロングスローを中盤で受けたブラヒムは、ソリアーノのプレッシャーを受けながら胸でふわりとボールを沈め、膝でコントロールし、右足でレオ・ロマンの守るゴールへ流し込みました。技巧師ならではの美しいフィニッシュで、マドリーは通算10度目のテレサ・エレーラ杯優勝を手にしました。 この試合、モウリーニョ監督はエムバペ、ククレジャ、クルトワ、チュアメニ、ベリンガムという5人の主力を欠いた状態で臨みました。 1トップにエンドリッキ、トップ下にギュレル、中盤にベルナルド・シウバとカマヴィンガを並べ、バルベルデはベンチスタートという布陣でした。サイドにはブラヒムとヴィニシウス・ジュニオールが入りましたが、契約延長後に先発復帰したヴィニシウスは精彩を欠いたまま。2024年バロンドールで2位に輝いた2023-24シーズンの輝きとはかけ離れた、慎重で物足りない内容が続きました。 ビルドアップの問題は、今季も深刻です。 トニ・クロースの引退とルカ・モドリッチの退団以来、マドリーは自陣に引いた相手を崩す術を持て余しており、ロドリの獲得にも失敗したまま現在に至ります。ベルナルド・シウバをカマヴィンガの相棒として起用しましたが、本来は組み立て役というよりインサイドハーフや偽ウイング的な選手であり、課題の解消にはなりませんでした。 一方のデポルティーボは、俊足のイェレマイが恥骨炎から回復途上のため欠場、さらに前半にノエ・カリジョが負傷離脱するアクシデントもありましたが、アントニオ・イダルゴ監督率いる守備組織はマドリーを最後まで手こずらせました。終了間際にはロウレイロのシュートがゴールを脅かしましたが、ルニンが反応してマドリーが逃げ切りに成功しました。 フェレンツヴァーロシュ戦勝利、フィオレンティーナ戦ドローに続くプレシーズン2勝目を挙げたマドリーですが、課題は山積したままです。代表帰りの選手たちのコンディション調整を含め、チームの仕上がりはまだ途上にあります。リーガ開幕は8月22日、エスパニョールのスタジアムで幕を開けます。
スペイン紙『エル・パイス』が伝えたところによると、レアル・マドリードがマンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリの獲得に向けて本格的に動き出しました。 その背景には、現監督ジョゼ・モウリーニョの強い働きかけがあります。63歳のポルトガル人指揮官は2026年現在、かつてチャマルティンを去った2013年当時の激しい怒りとは別人のような穏やかさを持ち、クラブ首脳陣の方針に従いながら時折提言を加えるスタイルをとっています。そのモウリーニョが今夏、ロドリの名前を耳にした瞬間から変わった——クラブ関係者によれば、彼はロドリ獲得のためにクラブのあらゆる実力者と連携し、会長フロレンティーノ・ペレスの説得に動いたといいます。 その説得は実を結びました。クラブ内部の情報筋は「今回は本気だ」と口を揃えます。ペレスはロドリ獲得に踏み切る意向を固め、シティへのオファー準備を進める段階に入りました。現在首脳陣が議論しているのは、契約年数を3年にするか4年にするかという点です。ロドリは現在30歳で、前十字靭帯断裂の手術歴があり、一部首脳陣はその膝の状態を懸念しています。 一方で楽観論を唱える声が多数派を占めます。2年間のリハビリと調整を経て、シティでの今シーズン終盤とW杯8試合での圧倒的なパフォーマンスは、彼の肉体的・精神的な充実を証明するものだと見ています。 ロドリ自身もマドリーへの関心を隠していません。アトレティコ・マドリードのユース時代から仲介者を通じて接触を続けてきたほか、今年3月にはラジオ局『オンダ・セロ』で「世界最高のクラブに対してノーとは言えない」と発言しています。また、シティとの契約延長を拒否しており、現契約は2027年6月に満了します。このまま新契約を結ばなければ、1月には自由に移籍先を決められる立場になります。交渉の主導権はロドリ側が握っており、移籍を希望すると明言すれば、シティが高額の移籍金を要求できる状況ではなくなります。 マドリーとロドリの縁は長く複雑です。2018年にはビジャレアルでの3シーズンを経たロドリを2000万ユーロで獲得できる機会がありましたが、クラブは「プロフィールが合わない」として断りました。その後ロドリはアトレティコ・マドリードに戻り、翌2019年にシティへ移籍します。プレミアリーグ4度制覇、チャンピオンズリーグ制覇、バロンドール受賞という輝かしいキャリアを積み上げ、直近では最新W杯での優勝に主将として貢献しました。 当時ロドリ獲得に最も否定的だったのが、会長のスポーツ面顧問であるフニ・カラファトです。カラファトはその後、チュアメニ、バルベルデ、カマヴィンガ、ギュレル、ベリンガムらの獲得を主導してきましたが、クロースの引退とモドリッチの移籍以降、中盤は機能不全に陥っているとモウリーニョは見ています。指揮官はベルナルド・シウバ獲得を推した時と同様、今度はロドリ招聘を訴えます。最高経営責任者のホセ・アンヘル・サンチェスとともに、ペレスへの働きかけを続けてきました。 モウリーニョは確信しています。かつてペップ・グアルディオラのシティを動かしたロドリとベルナルドという2枚の「エンジン」を手に入れれば、マドリーはPSG、アーセナル、バイエルンを相手に戦える圧倒的な競争力を手にできると。