モウリーニョはマドリーでCLを制覇できるか──12年前に止まった時計と「新しい自分」
英紙『The Athletic』ダーモット・コリガン記者が伝えた。
ジョゼ・モウリーニョのCLノックアウトステージ最後の勝利は、12年前に遡る。今季、その彼がインテルとのCL開幕戦でベルナベウに帰ってきた。
✅ 最初のマドリー時代、そして13年間で6度のCL制覇
2010年にマドリーが最初に招聘したとき、モウリーニョはインテルでCL三冠を達成したばかりで、マドリーの「10度目のビッグイヤー」を最も近い位置にいる監督と見られていた。しかし、クリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、カカらガラクティコスを擁した3年間は、毎シーズンCL準決勝敗退という結末に終わった。
2013年に彼が去った後、マドリーはアンチェロッティ監督で3度、ジダン監督で3度、計6つのCLトロフィーを獲得した。
✅ 12年間のCL記録──8大会、5クラブ、勝ち上がりはゼロ
その間、モウリーニョは5つのクラブでCLに挑んだが、2013-14シーズンのチェルシー以降、ノックアウトステージを一度も勝ち上がっていない。
2013-14チェルシー時代の準決勝では、ローンで在籍中のクルトワ率いるアトレティコ・マドリーに敗れた。
2014-15チェルシー:クルトワ、アザール、セスク・ファブレガス、コスタを擁し、16強でPSGと対戦。イブラヒモビッチの退場でアドバンテージを握ったかに見えたが、ブラン監督のチームにアウェーゴール差で敗退。「恥ずかしい」とガリー・ネヴィルが痛烈批判した。その後モウリーニョは12月に解任。
2017-18マンチェスター・ユナイテッド:グループステージ5勝で突破も、16強でセビージャと対戦。ポグバを外し21歳のスコット・マクトミネイを先発起用したが、第2戦終盤にベン・イェデルに2ゴールを決められ敗退。モウリーニョは12分間にわたる記者会見で「フットボールの伝統」論を展開して責任を回避した。2018年12月に解任。
2019-20トッテナム:ポチェッティーノ後任として就任、16強でライプツィヒに2戦合計0-4の完敗。
その後のローマではコンフェレンスリーグ優勝もELはセビージャにPK敗退。フェネルバフチェではELでレンジャーズにPK敗退。CL予選もベンフィカに敗れ解任。
✅ 「ドラマチックな一夜」でベンフィカが覚醒、そして因縁の対決へ
ところが、そのフェネルバフチェを倒したベンフィカが、数週間後にモウリーニョを招聘するという奇妙な巡り合わせが起きた。ベンフィカはリーグフェーズ7試合で5敗という崖っぷちから、最終節にGKアナトリー・トルビンがロスタイムにゴールを決めるという劇的な展開でノックアウトステージへ。そこで再びマドリーと対戦した。
第1戦ではヴィニシウスがプレスティアーニに差別的侮辱を受けたと訴えて試合が中断、プレスティアーニはUEFAとFIFAから出場停止処分を受けた。モウリーニョはその夜「ヴィニシウスが事件を誘発した」と示唆し、強い批判を浴びた。ベンフィカは2戦合計1-3でマドリーに敗退。
✅ 「新しいモウリーニョ」の試み
それでも今夏、フロレンティーノ・ペレスが2シーズン連続無冠のチームに変革をもたらすべく白羽の矢を立てたのはモウリーニョだった。
復帰後、モウリーニョは意識的にリラックスした姿勢を打ち出している。
「自分のDNAは変わらない。でも今の私はずっと成熟し、感情的でなく、コントロールが利いている」とスペインのTV番組「エル・チリングイト」で語った。
ヴィニシウスとの関係修復にも積極的で、ベルナベウのサポーターに同選手へのサポートを呼びかけた。プレスティアーニ発言については「彼は私の選手だった。それだけだ。ヴィニは今、私がどちらの側にいるかを知っている」と語った。
✅ ベリンガム、エムバペ、そしてモドリッチの言葉
ベリンガムは自由度の高い攻撃的MFとして躍動しており、エムバペはラ・リーガ開幕4戦で4ゴールを記録している。金曜のベティス戦は1-0の惜敗だったが、シーズンはまだ序盤だ。
アンチェロッティは2021年の復帰時、エバートンを10位に導いただけの状態でCLから4年離れていた。しかし復帰後1年でCL優勝を果たし、2年後に再びビッグイヤーを手にした。
「モウリーニョの復帰は素晴らしい決断だ。彼は偉大な勝者であり、このクラブを知っている」と、現在ミランに在籍し水曜日に41歳を迎えるルカ・モドリッチは語った。
モウリーニョの過去10年のCL記録よりも、このクラブで何が機能するかという深い理解が問われる新章。その答えが出るまで、今シーズンのベルナベウから目が離せない。