レアル・マドリードのベリンガム、「10番」を作り直す──モウリーニョのもとでトップ下に定着、左寄りに広がる新しい「10番」
スペイン紙『AS』のMarco Ruiz記者が、モウリーニョ監督のもとでトップ下に定着したベリンガムについて報じた。
✅ 「ジュードはゴールの近くでプレーすべき」
23歳のベリンガムは、マドリーのどの監督にとっても、ひと言で分類しにくい選手だった。 ただ一人、モウリーニョ監督を除いては。
モウリーニョ監督は、マドリーに戻ってきたときから、はっきりしていた。 「ジュードはゴールの近くでプレーすべきだ。それが、あの質を生かす一番の方法だ」
だからこそ、迷わず「10番」のポジションを与えた。 議論も、揺れもない。 4-2-3-1の典型的なトップ下だが、ベリンガムの今のプレーを見ると、その影響範囲はずっと広い「バージョン2.0」になっている。
✅ アンチェロッティ、シャビ・アロンソのもとでは
ベリンガムは、ここ数年、求められたどの役割でも見事なプレーをしてきた。
アンチェロッティ監督は、ベンゼマが去った直後のマドリーで、ヴィニシウスとロドリゴの後ろのセカンドトップとして起用した。 そのシーズン、ベリンガムは23ゴール13アシストを記録した。 今も「ゴールを取る選手」というイメージがついているが、ベリンガムはそれだけの選手ではない。
シャビ・アロンソ監督は、こう話していた。 「とても完成された選手だから、いろいろなタイプや高さに合う。周りで何が起きているかも分かっていなければならない」 アンチェロッティ監督と違い、シャビ・アロンソ監督は「どちらかといえば中盤の選手」と見ていたが、最終的にはゴールに近づけていった。
✅ W杯から変わった「10番」
ベリンガムにとって、W杯から状況ははっきり変わった。 まずイングランド代表のトゥヘル監督が、そしてモウリーニョ監督が、ベリンガムを「10番」に固定した。
W杯では7ゴールを挙げ、エムバペ(10ゴール)、メッシ(8ゴール)に次ぐ得点ランキング3位タイだった。 ハーランドと並んでいる。
ベリンガムは、この「10番」をとても個性的に解釈している。 プレーする範囲が広く、左サイドに流れることが多い。 それは、今季のリーガでのヒートマップとボールタッチのエリアを見るとよく分かる。
● 少ない ● ● ● 多い
ベリンガムのボールタッチ(リーガ2026-27、計543回。Optaのデータをもとに作成、位置はおおよそ)
ボールに触る場所の中心は、敵陣の左寄りだ。 上の図では、上側がマドリーの左サイドになっている。
攻撃方向 → 大きい数字=全タッチに占める割合、小さい数字=90分あたりのタッチ数
ベリンガムのオープンプレーでのボールタッチ(リーガ2026-27、Optaのデータをもとに作成)
オープンプレーでのタッチを見ると、敵陣の中央から左にかけての4つのエリアだけで、全体の3割以上を占めている。 一方、右サイド(図の下側)のタッチは、どのエリアも2%以下だ。
✅ 「指揮官と選手のつながりは完璧」
モウリーニョ監督は、最初の1分からベリンガムにピッチ上のリーダーの役割を与えた。 『AS』が取材したバルデベバスの関係者によると、選手と監督のつながりは完璧だという。
監督は、ベリンガムの人柄とつながった。 ベリンガムは、練習で自分自身に厳しいのと同じくらい、チームメイトにも厳しい。 生まれながらの勝者で、それを周りにも伝染させる。
また、戦術にもとても関心がある。 バルデベバスで行う練習の理由や、ピッチ上での決断の理由を知りたがる。 ピッチでは完全なリーダーになっていて、サッカーの考え方について、モウリーニョ監督とよく議論もするという。
モウリーニョ監督は、ベリンガムがトップ下で理想的に収まるよう、4-2-3-1を維持した。 シーズンの初めには、こう話している。 「あの質の選手は、ゴールの近くにいなければならない。私にとっては明らかだ」 「唯一無二で、チームにとって超重要だ。フィジカル、メンタル、戦術、ボール奪取、得点力、空中戦…さまざまな才能を持っている。すごいよ」
✅ 数字以上の影響力
今季、ベリンガムはゴール以上のものでチームに応えている。 もちろんゴールも決めていて、今季3ゴール。 14ゴールのエムバペに次ぎ、エスピ、ディオマンデ、ギュレルと並んでチーム2位タイだ。
| 選手 | ゴール | アシスト |
|---|---|---|
| エムバペ | 14 | 3 |
| ベリンガム | 3 | 3 |
| ギュレル | 3 | 4 |
| ディオマンデ | 3 | 4 |
| エスピ | 3 | — |
| ヴィニシウス | — | 3 |
今季のマドリーの主な攻撃の数字(『AS』より。「—」は元記事に記載なし)
ただ、数字以上に大きいのが、試合への影響力だ。 今のベリンガムは、ビルドアップにもフィニッシュにも、そして守備にも関わる、チームに欠かせない存在になっている。
✅ クラシコでは「ラミン・ヤマルのサイド」を消した
クラシコでは、ラミン・ヤマルがいるバルセロナの右サイドを消すために走り尽くした。 それでも、裏のスペースへ危険な飛び出しを続ける体力が残っていた。 そして終盤には、ルーレットのような回転のプレーで、2点目につながる流れを始めた。
● 少ない ● ● ● 多い
クラシコでのベリンガムのボールタッチ(計56回。Optaのデータをもとに作成、位置はおおよそ)
クラシコでボールに触った場所の中心は、自陣の左寄りだった。 ラミン・ヤマルのいるサイドを、ククレジャとともに締めていたことが分かる。
✅ 「2人目の左SBのように守る姿はもう見たくない」
ただし、クラシコは例外だ。 新しいベリンガムは、モウリーニョ監督が来る前の2シーズン、プレーの足かせになっていた守備の縛りから解放されている。
モウリーニョ監督は、1か月前にこう話していた。 「私のサッカーの見方と、彼の見方から、もう彼が2人目の左SBのように守る姿は見たくないと、彼と合意した。彼はそれを何度もやっていた。私がベンフィカで彼と対戦したときもそうだった。チームの組み方を変えたし、彼は何をすべきか分かっていて、居心地よく感じている」
マラガ戦の後には、こうも話している。 「マドリーにはバロンドールを取れる選手が1人以上いると言った。そこにジュードもいる」
ベリンガムは、ロドリが受賞した年に、ロドリ、ヴィニシウスに次ぐ3位でバロンドールに迫った。 そして今、この新しいベリンガムは、再びすべてを目指している。
関連記事
元レアル・マドリードのクロース「モウリーニョを称賛しなければならない」──クラシコは「超勇敢だった」、ハウセンのフェルミンへのマークに驚き
レアル・マドリードのクラシコ勝利、「シャビ・アロンソはもう思い描いていた」──Melero氏「モウリーニョは任されたからできた」
レアル・マドリードのクラシコ攻略、モウリーニョの「わな」とバルデベバスからのメッセージ──「私たちはここにいる、レアル・マドリードだ、決してあきらめない」
レアル・マドリードのディオマンデ、初のクラシコで「本物」に──ヴィニシウスを忘れさせる活躍、3トップの座をつかむ
