The Athletic2026年8月22日 13:10
「なぜモウリーニョは練習場に泊まり込むのか」──2026-27シーズン展望
英紙『ジ・アスレティック』が伝えた。2シーズン連続でタイトルを逃したレアル・マドリードは、ジョゼ・モウリーニョを監督に復帰させ、2019年以来最大規模の夏の補強を敢行した。
かつてもマドリーが連続無冠に陥った際、同じポルトガル人指揮官に白羽の矢が立てられた。2010年の初就任時、モウリーニョはインテルをヨーロッパ三冠に導いた直後だった。今回の就任はより意外性があり、昨シーズンはベンフィカで指揮を執っていた63歳には大きな仕事が待ち受けている。
マドリーのシーズンは土曜日、リーガ第1節のエスパニョール戦からスタートする。
✅クラブ内の期待
レアル・マドリードでは、いつでも高い要求が求められる。
モウリーニョもクラブも「あらゆるタイトルを争えるチーム」との確信を持っている──リーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、スーペルコパ・デ・エスパーニャ、チャンピオンズリーグ。すべてのポジションを最低2枚の選手でカバーしているという認識だ。
✅今夏の補強
マドリーが今夏の補強に費やした総額は約2億5,000万ユーロ(約400億円)。デンゼル・ダンフリース(インテルから2,500万ユーロ)、イブラヒマ・コナテ(フリー)、マルク・ククレジャ(チェルシーから5,500万ユーロ+出来高500万ユーロ)、ベルナルド・シウバ(フリー)、ヤン・ディオマンデ(RBライプツィヒから1億2,500万ユーロ+出来高1,500万ユーロ──成立すればクラブ史上最高額)、カルロス・エスピ(レバンテから2,500万ユーロ)の6名だ。
モウリーニョとクラブは補強の優先事項として、トレントのバックアップとなる2番手RB、制空権のあるCB、先発LB、クリエイティブなMFの獲得で合意していた。
「純粋な9番」も理想には挙がっていたが最優先ではなかった。これに伴い、ゴンサロ・ガルシアはアルベロア率いるフルアムへ移籍し、エスピが加入した。
ディオマンデは右サイドの攻撃力強化を目的に獲得された。マドリーの攻撃はエムバペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ベリンガムが輝く左サイドに偏っていたためだ。アーセナルの興味が取り沙汰される中、ヴィニシウス・ジュニオールが2032年までの新契約を締結したことも今夏の大きなニュースだった。
✅移籍期限前の補強優先事項
現有戦力に満足しつつも、モウリーニョはさらなるCBとMFの追加を望んでいる。
しかしクラブ(内部会議でも確認済み)の公式スタンスは「リーガ規定の登録枠25名はすでに埋まっている」というものだ。今月19歳になったカンテラ育ちのティアゴ・ピタルチがトップチームMFとして公式サイトに登録されている。
新たな選手を獲得するには、誰かが出て行く必要がある。クラブはその場合に備えたターゲットリストを持つとされる。
✅その他の変化
6月11日の就任正式決定以降、モウリーニョが複数の部門に深く関与した入念な検証を経て、さまざまな変化がもたらされた。
モウリーニョはベンフィカ時代のスタッフも含め、7名のスペシャリストを帯同させた。
アシスタントコーチのジョアン・トラリャオが再び参謀を務め、ペドロ・マシャードもリスボンから帯同。元ドイツ代表MFのサミ・ケディラも加入──モウリーニョ第一次政権(2010〜2013年)下でプレーした39歳にとって、初の指導者デビューとなる。
ヌノ・サントスが新GKコーチに、アントニオ・ディアスが新フィジカルコーチに就任(アントニオ・ピントゥスとの共同体制)、サンドロ・カリーコがスポーツ科学部門を、ロベルト・メレッラがヘッドアナリストを担当する。
メディカル部門も近年の負傷者多発を受けて刷新された。フェリペ・セグラが退団し、2025年に加入したマヌエル・アロヨも辞任。モナコで実績を積んだアレクサンドル・クルーズが新たに招聘された。理学療法士のホセ・カルロス・パラレスとフィジカルコーチのセバスティアン・デビラスも離脱した。デビラスはギジェルモ・スルドとともにエムバペの日常を最も近くで支えてきた人物で、マドリー退団後、夏休み中のエムバペを個人的にサポートしていた。
✅プレシーズンのMVP
アルダ・ギュレルのパフォーマンスが興味深い議論に火をつけている。エムバペ、ベリンガム、ヴィニシウス、ディオマンデの先発がほぼ確定的な中、21歳のトルコ代表MFはどこに収まるのか?
モウリーニョの信頼を勝ち取っているだけでなく、クラブ首脳陣も「タッチ・ビジョン、そしてエムバペとの抜群の連携でチームに方向性と構造をもたらす重要な存在」と高く評価している。
✅懸念材料
モウリーニョが優先課題の一つに掲げるのが「競争心と結束を両立させた日々の文化づくり」だ。
マドリーは昨シーズン、消化試合になる数か月前にリーガ優勝の可能性を失った。クラブ関係者(匿名を条件に取材)は「それがチーム内の緊張の一因になった」と語る。その緊張が表面化したのが、5月のエル・クラシコ数日前のチュアメニとフェデリコ・バルベルデによる練習場での衝突事件だった。
金曜日の会見でこの件を問われたモウリーニョはこう述べた。「今の状況を見たら、昨シーズン何があったか信じられないだろう。私が目にしているのは平和どころか友情と協力だ。まるで何もなかったかのようだ」。
✅監督の状態
モウリーニョの側近によれば、彼はこの"第二章"に強い意欲を燃やしている。
既存のスタッフとともに新プロジェクトを推進する優秀な陣容と、発展させるべき素材が揃っていると感じている。
第一次政権時と同様、クラブ内のすべてを把握しておくためにモウリーニョは全力を傾けており、やるべきことに時間を確保するために練習場に何度も泊まり込んでいる。昨シーズンのベンフィカ時代も時折練習場に宿泊していた。
✅モウリーニョが今シーズンを全うする確率は?
6月にわずか1年強で3人目の監督を招いたクラブとして、誰もがモウリーニョがもたらす安定と成功を望んでいる。
シャビ・アロンソとアルベロアが身をもって知ったように、レアル・マドリードで最重要なのは結果を出し、タイトルを争うことだ。このクラブは冷酷な決断を躊躇ったことがない。
✅私が驚かないこと
ギュレルがクリスマスまでに"不動の先発"に食い込み、実力者の一人がスポットライトを失う──。
クラブ内での評価は非常に高く、モウリーニョがいずれかのタイミングで彼への信頼をさらに高め、ベテラン選手が出場機会を失う場面が来ても驚きはない。
✅今季スタメン予想【4-2-3-1】
エムバペ
ヴィニシウス・ジュニオール ベリンガム ディオマンデ
ベルナルド・シウバ チュアメニ
ククレジャ ハイセン コナテ アレクサンダー=アーノルド
クルトワ
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